大勢の鉄道ファンに見守られて出発する「おくみの号」=3日午前9時56分、関市元重町、長良川鉄道関駅

 第三セクターの長良川鉄道(岐阜県関市元重町)は3日、国鉄越美南線時代の急行「おくみの」のデザインを復刻した新型車両を導入した。昭和レトロを感じさせる車両で新たな注目を集め、2016年から運行する観光列車「ながら」と合わせて全国からの誘客を図る。3日は関駅で出発式が行われ、多くの鉄道ファンや関係者が駆け付けた。9日から通常ダイヤに組み込まれる。

 

 急行おくみのは、クリーム色のボディーに朱色の帯が入った外観が特徴で、国鉄越美南線時代の1966~82年に運行した。「沿線の四季の風景にマッチする」と人気が高く、鉄道ファンや沿線住民を中心に復活を望む声があった。車両の更新に伴い導入し、事業費は約2億円。坂本桂二専務は「豊かな沿線文化と自然景観が長良川鉄道の強み。自然風景と合うおくみのの導入で、鉄道ファンらを魅了できると感じた」と狙いを話す。

 同社によると、新型コロナウイルスの影響で、2020、21年の乗客数は一時、コロナ前の半数まで落ち込んだ。昨年12月には約7割まで持ち直したが、観光列車など定期外列車の利用者は約6割にとどまっており、坂本専務は「アフターコロナを見据え、観光列車をより強化していく必要がある」と話す。

 出発式には、社長を務める日置敏明郡上市長や沿線首長らが出席した。日置社長は「多くの鉄道ファンに乗ってもらい、人気を集めることを期待したい」とあいさつ。「2代目ときどき駅長」を委嘱された犬のゴールデンレトリバー3匹などが出発を合図し、関駅から美濃太田駅に向けて発車した。

 この日はクラウドファンディングの支援者約20人が乗車し、美濃太田-北濃間を往復した。沿線や駅では、鉄道ファンらが「祝 おくみの号復活記念」のヘッドマークを付けた車両に向けて盛んにシャッターを切っていた。

 17日からは「古き良き昭和」をテーマにした企画列車の運行も開始する。坂本専務は「まん延防止等重点措置がようやく明けて、良いタイミングで出発式ができた。コロナの影響を少しでも挽回できたら」と力を込めた。