「くすの木パーキング」の地下2階で水没し、乾いて白くなった泥に覆われた車=9月、三重県四日市市

 国土交通省は7日、三重県四日市市の地下駐車場の冠水を受け、同様に国などが管理している全国13カ所の「直轄地下駐車場」を調べた結果、松山市と高知市の2カ所で四日市市と同じ止水板の故障を確認したと発表した。当面は大雨時に土のうを設置するなどの対応を取り、本年度中に修繕を終える予定という。

 国交省によると、松山市の「松山地下駐車場」では2021年10月、高知市の「はりまや地下駐車場」では20年5月に故障を把握。老朽化が原因とみられ、いずれも止水板が正常に作動しない状態だった。

 しかし両駐車場を所管する四国地方整備局(高松市)は火災報知機などの修繕を優先して進め、止水板は本年度以降の予定だった。国交省の担当者は「修繕計画はあり、放置されていたわけではない」と説明した。

 四日市市の地下駐車場「くすの木パーキング」は9月12日夜の大雨で地下1、2階ともに冠水。止水板の故障を国などが約3年9カ月前に把握しながら、必要な措置を取っていなかった。