ヒグマの出没情報に伴って閉鎖された札幌市の旭山記念公園のゲート=9月
 1日夜、札幌市南区の市街地に近い林道を歩くヒグマの親子(札幌市提供)

 札幌市でヒグマの市街地近くへの出没が急増している。9月の出没は過去10年の月間最多を記録した。市民が襲われて負傷したほか、公園の閉鎖や学校の休校など市民生活に影響が広がっており、専門家からは「災害級」の事態だとの指摘も。餌である木の実の不作が要因と考えられ、市は山あいの住民に夜間と早朝の不要不急の外出を控えるよう呼びかけている。

 札幌市では近年、9月のヒグマ目撃や痕跡確認などが20件前後で推移してきたが、今年は南部、西部の山に接する地域を中心に71件。現場が山林のものは数件で、大半が市街地やその周辺だ。観光客も多い大倉山ジャンプ競技場や円山動物園の周辺にも出没している。