観光スポットの荻町城跡展望台に設置された「くま危険」の看板=12日午後、大野郡白川村荻町

 大野郡白川村荻町の世界遺産合掌造り集落で5日にスペイン人の男性観光客がクマに襲われ軽傷を負った事故から12日で1週間がたった。集落を訪れると、3連休の中日だったこともあり、大勢の観光客でにぎわっていた。一方、事故現場に近い展望台行きシャトルバス乗り場付近では、「くま危険」の看板が目を引く。11日には荻町内でクマの目撃情報があり、村職員らの警戒が続く。秋の行楽シーズンが本格化する中、観光への影響を懸念する声が聞かれた。

 「ニュースで知った。不運なスペイン人が襲われたんだね」。12日午前、オーストラリアから集落を訪れた60代夫婦は、クマによる事故について関心を示したものの、気にするそぶりはなかった。かやぶき屋根が立ち並ぶ日本の原風景を写真に収め、観光を満喫していた。...