東京大などのチームは20日、新たな仕組みのアルツハイマー病治療薬「レカネマブ」の実用化から1年時点での実態を明らかにするため、認知症関連専門医を対象に実施したアンケートの結果を公表した。副作用による治療中止は少なく安全性はおおむね良好とみられる一方、治療のためのスペースや人員が逼迫しているとの回答が多かった。
レカネマブは2023年12月に保険適用された。チームは24年12月〜25年1月、専門医を対象に無記名のウェブアンケートを実施。719人が回答し、うち311人が実際にレカネマブを投与した経験があった。
投与経験者の約8割が、初診から初回投与までの待機期間は平均3カ月以内と回答し、比較的スムーズだったことが分かった。「アミロイド関連画像異常」と呼ばれる脳への副作用などによる治療中止の経験があったのは1割未満だった。
課題を尋ねると、投与未経験者を中心に「薬剤の費用と効果が見合わない」が最多だった。