少子化や大学入試改革で今、高校を取り巻く環境は大きく変化しています。岐阜県内の高校はどう対応していこうとしているのでしょうか。岐阜新聞デジタルは各校の校長らトップにインタビュー。今回は、多治見北高校(多治見市)の田中誠二校長(58)です。国公立大学への現役合格率は岐阜県第2位という進学校が実践する教育はとてもユニーク。「65分授業」に「新書にチャレンジ」、自ら学ぶ姿勢を引き出し、学びを着実に力とする独自の取り組みとは。(岐阜新聞デジタル独自記事です)

ー特色は。
校訓は「自主・自律・自学」。生徒も教員も常に意識している言葉で、本校で行われているさまざまな教育活動の根底にはこの精神がある。「自らをもって由とする」、つまり与えられたことではなく、自分で考えて行動できる生徒に育ってほしいと思っているし、実際に育っていると感じている。
ー自主的な学びを生むための工夫とは。
さまざまな学びの機会を用意し、生徒たちは自ら手を上げてそこに参加してくる。その仕掛けをする4本の柱が、教員による探究推進部、図書館講座、DX(デジタルトランスフォーメーション)ハイスクール、そして生徒会や部活といった特別活動だ。
例えば、探究推進部では授業内で行う探究的な学習のほかにも、外部講師を招いた講座や大学の模擬講義への参加などを企画する。夏には希望者を募って乗鞍岳へフィールドワークに出かけ、植生や地形観察、高山での調理実習など各自が選んだテーマの下で活動する。本年度も希望者が定員をオーバーする人気だった。
DXハイスクールは採択2年目となる。昨年度はドローンや3Ⅾプリンター、プロジェクションマッピングができる機材などをそろえ、本年度はその活用に挑戦している。これも使い方を指示するのではなく、1、2年生に「使っていいよ」と呼び掛けたところ、120人もの生徒が手を上げた。DXサークルと呼ばれるグループを組み、活動している...