若年層を中心に、指定薬物「エトミデート」の乱用が広がりつつある。海外では医療用として使用されるが、過剰摂取すると、手足がけいれんすることなどから「ゾンビたばこ」とも呼ばれる。今年に入り沖縄県を中心に摘発が相次いでおり、密輸グループも逮捕。首都圏で売りさばいた疑いがあり、捜査当局は全国でまん延する可能性もあるとみて、警戒を強めている。
エトミデートは海外の麻酔手術などに使われる鎮静剤で、脳の中枢神経に働きかけて神経の働きを抑える。意識を失ったり、立っていられなくなったりする場合もあり、日本では5月に指定薬物として規制され、使用や所持、輸入などが原則禁止された。
乱用拡大の中心と言われる沖縄。指定薬物となった5月以降、県内の初摘発は7月で、9月末までにエトミデートの所持で10人が逮捕、書類送検された。ほとんどが10、20代の若者で、高校生もいた。交通事故を起こしたケースもあった。
捜査関係者は「当初は局地的な広がりと思っていたが、その後の捜査などで、日本にも市場ができつつあることが分かった」と危機感を示す。








