注文を受けた商品をしっぽの吸盤でつかむロボット「ピックルくん」=10月、成田空港

 成田国際空港会社と野村総合研究所は、ロボットがお土産を無人販売する実証実験を、成田空港第3ターミナルの国内線搭乗口エリアで始めた。人手不足を解決し、業務の効率化を進める狙い。野村総研によると同様の試みは国内初で、12月15日まで楽しめる。

 「行ってきます!」。タッチパネルで商品を選び決済すると、ネコをモチーフにしたロボット「ピックルくん」が返事をして並べられた菓子箱に向かった。しっぽの吸盤でつかみ背中に乗せると、受け渡し口まで運んできてくれる。旅行客らが物珍しそうに眺め、写真を撮っていた。「ひよ子」など売れ筋の計12種類を扱う。

 野村総研によると、利用者が商品に直接触れないため万引の心配もない。無人コンビニなどと比較して、防犯カメラの設置が不要で初期投資額が低く抑えられるという。

 開発を担った広戸健一郎さん(48)は「(15〜64歳の)生産年齢人口が減少し人手不足が課題となる中、解決の一助になれば」と話した。