2025年11月20日

 電通グループの国内事業を統括・支援するdentsu Japan(ブランド:「dentsu Japan」、本拠地:東京都港区、代表者:CEO 佐野 傑、以下「dentsu Japan」)は、宮城県仙台市(市長:郡 和子)と、ニューロダイバージェント人材※1の活躍に向けた連携に関する協定を本日締結しました。

 

締結式の様子

(右から)仙台市:郡市長 

dentsu Japan:口羽チーフ・ダイバーシティ・オフィサー 

 

<背景と目的>

 dentsu Japanは、11月1日に東北大学と「dentsu Japan×東北大学 ダイバーシティワークモデル共創研究所」※2を設立しています。また、仙台市は、「ダイバーシティまちづくり」を進めており、市民一人一人が持てる力を十分に発揮し自分らしく輝ける環境の整備を行っています。

 本協定の目的は、dentsu Japanと仙台市が相互に連携・協力することで、多様な特性のあるニューロダイバージェント人材(ADHD〔注意欠如・多動症〕やASD〔自閉スペクトラム症〕などの発達特性※3のある人材を含む)が個々の能力を地域社会で十分に発揮できる環境を構築することにあり、誰もが成長の機会と恩恵が得られる包摂的成長の実現に寄与することを目指しています。

 

 今後は、ニューロダイバージェント人材に関する地域企業の実態およびニーズに関する情報収集、「dentsu Japan×東北大学 ダイバーシティワークモデル共創研究所」における研究活動を通じて得られた知見に基づき仙台市内で実施する実証実験など、5つの連携事項に取り組みます。まずは、AIやテクノロジーなどの高度IT領域で、人材活躍のための実証とワークモデルの策定を進め、その後より広い領域への拡大を目指します。dentsu Japan は「Integrated Growth Partner」として、クライアント・パートナーの成長、ひいては社会の持続的発展に貢献していきます。

 

<5つの連携事項>

連携事項 想定される取り組み

①ニューロダイバージェント人材に関する地域企業の実態およびニーズに関する情報収集

地域企業におけるニューロダイバージェント人材の雇用実態や、働きやすい環境づくりに関するヒアリング調査やアンケート調査などの実施

②地域の障害福祉に関連する団体、事業所、あるいは就労希望者などとの関係構築

ニューロダイバージェント人材を支援する関係機関やNPO団体のほか、就労を希望する当事者との関係構築など、実証実験の実施に向けた各般の準備

③「dentsu Japan×東北大学 ダイバーシティワークモデル共創研究所」における研究活動を通じて得られた知見に基づく、実証実験の仙台市内での実施

上記①②を通じて得られた地域の実態やニーズなどを踏まえ、共創研究所では、まずAIや高度IT領域で活躍するニューロダイバージェント人材を対象に、診断ではなく「組織で成果を出す因子」を見極める独自アセスメントと、その結果に基づき、個人とその周囲が最大限の能力を発揮できるようにするための役割(業務・組織など)、制度(就業、評価など)、技術(コミュニケーションIT、職場環境など)をデザインするプラットフォームを開発。まずはdentsu Japan内で試行し、仙台市内企業や支援機関で実証実験を実施

④産学官民連携組織「仙台市×東北大学スマートフロンティア協議会」の活動

スマートフロンティア協議会の活動全般への参加(会員企業との共同研究、勉強会への参加など)

⑤その他、本協定の目的を達成するために必要と認める事項

その他本協定の目的を達成するために両者協議の上必要と認めた事項に関すること

 

<締結日>

2025年11月20日

(右から)仙台市:高橋ダイバーシティ推進担当局長、筒井まちづくり政策局長、郡市長 

dentsu Japan:口羽チーフ・ダイバーシティ・オフィサー、妹尾DXプレジデント  

電通総研:尾下ユニット長 電通コーポレートワン:濱崎ディレクター 


※1 ニューロダイバージェント人材

脳の認知や情報処理の特性が平均と離れたASDやADHDなどと診断された方々、また医療的な診断がなくても類似した傾向や特性がある方々を指す。こうした特性の違いを「障害」ではなく「多様性」と捉える考え方がニューロダイバーシティ(神経多様性)の基本。今日では、多様な特性がある人々の生き方・働き方を尊重し、教育現場や職場、社会での包摂的な環境を設けることが重要視されている。

※2 2025年10月30日発表:「dentsu Japan×東北大学 ダイバーシティワークモデル共創研究所」を設置

https://www.japan.dentsu.com/jp/assets/pdf/news/2025011-1030.pdf

※3 発達特性

発達特性とは、認知や感覚などでの神経発達的な個人差を指し、思考や行動における多様性の一部を構成している。発達特性の違いで、コミュニケーション、情報処理、学習に各人の特徴的なパターンが現れる。本リリースでは、このような特徴を個々人の特性と捉えることから、「発達障害」ではなく「発達特性」と表現する。

 

<dentsu Japanとは>

 dentsu Japanは、グローバルに展開する「dentsu」の4事業地域のうち、世界最大のエージェンシー(独自試算に基づく)である株式会社電通を擁する日本事業を統括・支援する機能を有すると同時に、日本の事業ブランドを示しています。同ブランドを支える約140社・2万3000名の従業員が、マーケティング、ビジネス・トランスフォーメーション、スポーツ&エンターテインメントの事業領域で統合的なソリューションを提供し、顧客の持続的成長を支援しています。dentsu Japanは「Integrated Growth Partner」として顧客と社会の成長と活力を共に創り出すパートナーであることを目指します。

 

<本リリースにおける「障害」の表記について>

 当事者団体や有識者の中でも議論が続いており、複数の意見が存在しますが、 本リリースにおいては共同通信社発行の「新聞用字用語集(第14版)」にのっとって表記しています。具体的なソリューションの提供においては、ご協力いただく当事者や専門家、顧客のご意見を踏まえた上で、最も適切と考えられる表現を使用しています。

 

                                             以上