【ワシントン共同】2018年にサウジアラビア当局者に殺害された米国在住のサウジ人記者ジャマル・カショギ氏の妻ハナンさん(57)が21日、トランプ米大統領に真相解明に向けた外交努力を訴えた。トランプ氏が事件への関与が指摘されたムハンマド皇太子と18日に会談した際に皇太子を擁護したことを踏まえ、姿勢の転換を求めた。
ハナンさんは米国で亡命生活を送っており、首都ワシントンで初めて記者会見した。時折涙ぐみながら「夫を拷問して殺害し、遺体を切断したことは決して正当化できない」と述べ、テロ行為だと批判。トランプ氏が会談中、米情報機関の分析に反する形で皇太子が事件を「知らなかった」と擁護したことで「心がかき乱された」と語った。
米国家情報長官室は21年、皇太子がカショギ氏殺害を「承認した」とする報告書を公表。バイデン前政権は事件を問題視したが、サウジによる巨額の対米投資などを歓迎するトランプ氏は親交を深め、事件を不問に付す姿勢を鮮明にしている。






