株式会社Mizkan Holdings
~革新的な技術で使いやすさと環境への配慮を両立!令和7年度中部地方発明表彰で高評価~


令和7年度中部地方発明表彰の表彰式(2025年11月19日)にて

左:(株)Mizkan 大池 正樹、右:(株)Mizkan 代表取締役専務 兼 COO 槇 亮次

 株式会社Mizkan(本社:愛知県半田市、代表取締役社長兼CEO:吉永 智征、以下ミツカン)は、公益社団法人発明協会が主催する令和7年度中部地方発明表彰において、「パキっと便利な納豆容器」(特許登録名「納豆容器、容器入り納豆及びその製造方法」、特許第5773971号)が「特許庁長官賞」を受賞しました。
受賞した発明は、納豆用たれをふたの中に収納し、ふたを割ることでたれが投入可能な納豆容器に関する発明となります。(以下、本発明) また、合わせて、「実施功績賞」も受賞いたしました。
表彰式は、2025年11月19日(水)にANAクラウンプラザホテル富山で行われました。

受賞について

●「特許庁長官賞」
発明名称: 「パキっと便利な納豆容器」
(特許登録名「納豆容器、容器入り納豆及びその製造方法」、特許第5773971号)
受賞者名: 株式会社Mizkan イノベーション開発部 大池 正樹
●「実施功績賞」 
(受賞する発明等が法人におけるものである場合に当該法人の代表者に贈呈される賞)
受賞者名: 株式会社Mizkan Holdings 代表取締役社長 中埜 裕子
株式会社Mizkan 代表取締役社長 兼 CEO 吉永 智征

本発明の概要 及び 成果

 本発明は、納豆用たれをふたの中に収納し、ふたを割ることでたれが投入可能な納豆容器に関する発明となります。
納豆は、一般的に容器内で被膜とよばれるフィルムがかけられ、その上にたれの小袋が添付された状態で販売されています。
この小袋が開けづらく、指先にたれが付いたり、飛び散って汚したりすることがあるというお客様からの不満が寄せられていました。特に、小さいお子様や、指先の不自由な方は、介助がないと開封することができませんでした。
そこで、ふたの中にたれを収納し、ふたを割ることで簡単にたれを納豆にかけることができる容器を開発するに至りました。
実用化には、被膜なしでも納豆の乾燥を防ぎ、誰でもきれいにふたを割ることができるような形状にすることなどが課題でしたが、数多くの試行錯誤や改良を経て、現在の容器が完成しました。
中でも、ふたをきれいに割るために着目したのが、納豆容器の発泡樹脂シート内にある気泡の「配向性」(規則的に同じ方向を向く性質)です。
これは、納豆容器を落とした時などに、一定の方向に亀裂が入ってしまうという容器の不具合がヒントになりました。
発泡樹脂シートは、容器を成型する際に、一定の方向に力がかかり、シート内の気泡が同じ方向に細長い楕円形になる性質があります。容器に衝撃が加わると、決まった方向に亀裂が入ってしまう原因は、その「配向性」によるものでした。
その性質を逆に利用して、亀裂が入りやすい方向に、ふたを折り曲げるように設計することで、誰でもきれいに割れるようにしたのが本発明のポイントになります。
たれの小袋や被膜を使用しない、納豆とたれが一体化した容器を実現できたことで、生産性向上や環境負荷の低減に寄与しただけでなく、生活者に、たれの小袋によるわずらわしさを解消するという利便性、また、たれの容器部分をパキッ!と割る際の楽しさが両立した商品を実現することができました。
この容器は、「金のつぶ(R) パキッ!とたれTM とろっ豆TM」に使用されており、幅広いお客様にご愛顧いただいています。



「特許庁長官賞」受賞の評価ポイント

 本発明を活用することで、たれの小袋や被膜フィルムがいらず、資材削減によって環境負荷低減につながります。また、ふたをパキッ!とするだけできれいにたれが出て、小袋がなかなか開かずにイライラすることもなく、開ける動作自体もちょっと楽しいという納豆になります。この発明を、特別な素材ではなく、従来の納豆容器で用いられる発泡樹脂シートの特性を活用して実現した点が評価されました。

「金のつぶ パキッ!とたれ とろっ豆」について

 この容器が使用された「金のつぶ パキッ!とたれ とろっ豆」は、2012年の発売以来、幅広いお客様にご愛顧いただいており、今では年間3億食以上を誇る人気商品です。
この容器は、特許権の他、容器デザインの意匠権、ロゴデザインについて商標を取得しており、特にデザイン性では高い評価を得ています。(「2012日本パッケージングコンテスト」において「経済産業大臣賞」受賞、「公益財団法人日本デザイン振興会」運営の「2012年度グッドデザイン賞」受賞)
ふたを切り離しパキッ!と割るだけで、簡単にたれをかけることができるので、老若男女問わず誰でも納豆を楽しめる点を活かして、保育施設での食育にもご活用いただいております。環境負荷低減の観点では、2025年9月に、さらに軽量化した環境負荷が小さい素材を用いた容器へのリニューアルも行われました。 (「2025日本パッケージングコンテスト」において「公益財団法人共用品推進機構理事長賞」を受賞)
今後もお客様の声に耳を傾け、独自の工夫とユニークな発想で食生活に新しくて楽しい体験価値を提供できるよう努めてまいります 。





(参考)

■地方発明表彰について
大正10年に開始した地方発明表彰は、技術的に優秀かつ、実施効果の高い技術を生み出した発明者、またその実施者に対し、贈呈される賞です。全国を8地方(北海道・東北・関東・中部・近畿・中国・四国・九州)に分けて実施され、当社は中部地方発明表彰において「特許庁長官賞」を受賞いたしました。

・公益社団法人発明協会
https://koueki.jiii.or.jp/index.html
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