旧中山道の宿場町・馬籠宿(岐阜県中津川市)。日本の風情を感じられる宿場町は、インバウンド(訪日客)でにぎわいます。その多くは路線バスで馬籠宿を訪れています。馬籠宿と周辺ではこの秋、新路線開設や自動運転バス実証運行など、バスに関する話題が相次ぎました。リニア中央新幹線の開業を近い未来に控える中津川市。将来に向けた公共交通の変化が進んでいます。色づいた木々が山々を彩る11月の中旬、路線バスで馬籠宿を訪れました。(岐阜新聞デジタル独自記事です)

馬籠から妻籠へ向かう路線バス。背景の木々は赤く色づいていた=中津川市馬籠(いずれも2025年11月16日撮影)

 休日の午前、名古屋駅からJR中央線の列車に乗り込みます。区間快速で1時間半弱。8両編成の電車は名古屋市内では混雑していたものの、中津川駅へ近づくにつれて車内はすいてきました。中津川駅へは午前11時過ぎに到着。長野方面からの特急「しなの」も着いたばかりで、構内は大きな荷物を背負った外国人とみられる観光客が目立ちます。

■新たな交通手段

 馬籠・妻籠エリアでこの秋相次いだ、バスを巡る動き。岐阜新聞デジタルでも記事を掲載しています。

 10月には、中津川市で路線バスを運行する北恵那交通が、県境を越え妻籠宿やJR南木曽駅(長野県南木曽町)までの路線を開設しました。中津川駅からJR坂下駅(中津川市坂下)までの路線を延伸したものです。馬籠へのバスに乗客が集中していることから、分散を図る意図もあるようです。

 11月には、県をまたいだ二つの宿場町を範囲にする「馬籠・妻籠周遊切符」モバイルチケットの発売が始まりました。2日間有効で大人2700円です。北恵那交通の2路線だけでなく、馬籠と妻籠を結ぶ南木曽町地域バスも対象です。

 さらに、11月24日から30日にかけて、馬籠宿に近い中央自動車道神坂スマートインターチェンジと馬籠を結ぶ自動運転バスの実証実験も行われています。

■大型バスが満員

中津川駅前から馬籠へ向かう北恵那交通の路線バス。北恵那鉄道の電車の復刻塗装にリニア中央新幹線のラッピングの車両。この便は立ち席多数だった=中津川駅前

 中津川駅前から馬籠へは、北恵那交通の路線バスが1時間に1本程度走っています。次のバスは11時15分発。乗り場には長い列。大型バスに立ち客も多数。まるでラッシュ時です。このバスは見送り、次のバスに乗ることにしました。

 次のバスは...