「船の体育館」の愛称で親しまれてきた旧香川県立体育館=高松市

 旧香川県立体育館の解体費約10億円の公金支出は違法だとして、民間資金による利活用を目指す「旧香川県立体育館再生委員会」委員長を務める建築家は26日、県の支出差し止めを求め、高松地裁に訴状を送ったと明らかにした。住民監査請求が5日に棄却されていた。

 訴状では、世界的建築家丹下健三氏が設計した旧体育館は文化的価値が高いとして、再生委が利活用案を示し買い取りを提案したが、県は具体的に検討せず解体工事の入札を行ったと主張。2012年に県が実施した耐震診断でも大きな危険性は示されておらず、解体費も相場より高額だとしている。

 県は「訴えの内容が分からないためコメントしかねる」としている。