太平洋戦争中に旧日本陸軍の戦闘機「飛燕(ひえん)」に搭乗し、関市中之保の山あいに墜落して21歳で亡くなった青年がいた。奈良県出身で、愛知県の小牧飛行場から飛燕で飛び立った北村幸男少尉(1923~45年)。地元の市民団体は今月、墜落地点付近に建つ石碑前に墜落の経緯を記した看板を設置し、若くして亡くなった青年の生涯と戦争の悲惨さを伝えている。戦後80年の今年、関係者は「たくさんの人に読んでもらい、戦争はいけないと語り継いでいってほしい」と話す。
北村少尉は、進学校として知られる大阪府の天王寺高校の前身、天王寺中学を卒業後、両親の反対を押し切って陸軍航空士官学校に入学。1945年2月12日、米軍機B29を迎撃するために...










