退職の意向を勤務先に伝え、手続きを進める「退職代行サービス」は、若年層を中心に利用者が増えている。運営会社の社長らを逮捕した警視庁の捜査幹部は「転職者数が増えたことや、会社側の執拗な引き留めが背景にある」と指摘。労働相談の現場では、トラブルも散見されている。

 就職情報会社マイナビが2024年10月に公表した調査によると、23年6月以降の1年間で転職した800人のうち、16・6%が退職代行を利用したと答えた。年代別では20代が最多の18・6%を占めた。

 労働相談などに取り組むNPO法人「POSSE」の坂倉昇平理事によると、人手不足により業務量が増加する一方、企業側には採用難もあって退職を認めない雰囲気が広がっているという。「『退職代行を使わざるを得ない』という発想になる人も多く、そうした状況に退職代行業者は目をつけ、伸びたのではないか」との見方を示す。

 同法人に寄せられた相談の中には、サービスを利用しても結局は本人が勤務先とやりとりすることになったり、取得できるはずの有給休暇が取れなかったりするケースもあった。