―備えの盲点は“生活用水”と“繰り返す余震”への対策

 大和ハウス工業株式会社総合技術研究所は、激甚化・頻発化する自然災害への関心の高まりを受け、全国の20~89歳の男女2,678名(被災経験者かつ現在対策実施者)を対象に「災害の多様化と意識調査」を実施しました。 本調査では、被災経験者のリアルな声から「避難所より自宅」を選ぶ意識の高まりと、それを阻む具体的な不安要素が浮き彫りになりました。本リリースでは、そうした不安を解消し、災害後も“我慢しない”日常を守るために必要な「これからの住まいの条件」を、調査データをもとにご紹介します。

 

調査サマリー

被災時に「最も役に立った」のは「雨水タンク」「保険」「耐震性能」。

所有率わずか4.5%の「雨水貯留タンク」が「役に立った」1位に。生活用水の確保が盲点である一方、家の耐震性が被災後の暮らしを左右する実態が明らかに。※1

避難指示でも「自宅に留まる」が「避難所」を上回る。

50代以上の過半数が「在宅避難」を選択。年齢層が上がるほど、避難所よりも自宅での生活を望む傾向が顕著。

在宅避難で「不安なこと」は「トイレ」「インフラ」「耐震」。

不安要素の1位は「トイレが使えない(67.7%)」。次いで「情報が入らない」「停電」といったライフラインの寸断に加え、「余震や二次災害の恐れ」も約半数が回答。

インフラ確保と建物の「耐震性」が、在宅避難の最大の懸念事項となっている。※2

安心して住み続けるための条件は、水・電気の自給自足と繰り返す余震への強さ。

倒壊しない強さは大前提として、インフラ停止時でも生活を守れる「自給自足」の性能が、これからの住まいに求められている。

※1は、「地震・津波」の被災者が対象n=1,848人

※2は、上記含む「風水害」「落雷・竜巻」「雪害」の被災者が対象n=2,678人

 

被災時に「最も役に立った」のは「雨水タンク」「保険」「耐震性能」

 災害への備えとして、まず食料や飲料水、モバイルバッテリーなどを確保される方は多いのではないでしょうか。実際、今回の調査でもそれらは実施率の上位を占めましたが、被災現場で最も「役立つ」と評価されたのは、意外な対策でした。

今回の調査で、地震・津波への備えとして「雨水貯留タンク」を設置していた人はわずか4.5%に留まり、全項目の中で最も低い実施率(最下位)でした。しかし、実際に被災した際に備えていた人の評価を見ると、「役に立った」という回答が52.4%に達し、数ある対策の中で第1位の満足度となりました。




 

 一方で、普及が進む「モバイルバッテリー」は33.0%(4位)と高い所持率でしたが、役に立った実感は38.5%(16位)にとどまっています。多くのご家庭で「飲料水」や「電源」の確保は進んでいますが、トイレの洗浄や洗い物などに使える「生活用水」の確保こそが、在宅避難の質を左右する重要な「盲点」であることが、被災経験者のリアルな声から浮き彫りになりました。

 

避難指示でも「自宅に留まる」が「避難所」を上回る。

 こうした備えの背景には、「避難所へ行く」よりも「自宅で乗り切る」ことを望む、生活者の意識の変化があります。 今回の調査で、避難指示が出た場合の行動について聞いたところ、回答者全体で「自宅に留まる」(46.2%)という回答が、「避難所へ行く」(37.2%)を上回る結果となりました。特に50代以上ではその傾向が顕著で、半数以上の方(50代:50.8%、60代:58.2%、70代以上:58.6%)が「自宅に留まり、在宅避難生活を送る」を選択しています。

 

 

 なぜ、多くの人が在宅避難を選ぶのでしょうか。その理由の第1位は「自宅の方が安全だから(58.9%)」でしたが、第2位には「避難所で生活したくないから(34.9%)」が続き、避難所生活の環境に対する強い懸念や拒否感がうかがえます。

 また、避難したくても「自宅から離れられない」切実な理由も存在します。その筆頭がペットの存在です。「ペットを連れて避難できないから」という回答が51.1%でトップとなり、ペットと共に暮らす世帯にとって、在宅避難は選択肢の一つではなく、避けて通れない課題となっていることが明らかになりました。



在宅避難で「不安なこと」は「トイレ」「インフラ」「耐震」

 「自宅にいたい」という意向が強まる一方で、現実の在宅避難には多くのハードルが存在します。調査から浮かび上がった「3つの大きな不安」と、それらを解消するために、これからの住まいに何が求められているのか、その条件を紐解きます。


 

【水】トイレ利用への不安

 在宅避難における不安要素として圧倒的1位となったのは「トイレ(下水道停止)」でした(67.7%)。前述の通り、被災時に役立った対策として「雨水貯留タンク」が満足度No.1(52.4%)となったことからも、飲料水だけでなく、トイレの洗浄や生活用水をいかに確保するかが、避難生活の質を左右することが分かります。

 

 この不安を解消するには、断水時でも水を自給できる設備の導入がカギとなります。トイレ洗浄や手洗いに使える「雨水貯留タンク」や、床下空間を活用して3日分の飲料水を確保する「飲料水貯留システム」など、用途に合わせた水の備えが、衛生環境と精神的な安心を守ります。

 

【電気】停電・情報断絶への不安

 不安要素の第2位は「情報が入らない(52.2%)」、第4位は「停電(46.6%)」となり、ライフラインの寸断が上位を占めました。また、電気や燃料の備蓄について、飲料水ほど長期間の備え(4~7日)を想定できておらず、「2~3日」で諦めている層も一定数見られました。

 停電時の不安を解消するのが、「太陽光発電」「エネファーム(燃料電池)」「蓄電池」を連携させたシステムです。これらを組み合わせることで、雨天でも約10日分、さらに電気自動車(V2H)と連携すれば最大約11日間の電力と暖房・給湯を確保可能です。停電時でも普段通りテレビで情報を得たり、家電を使ったりすることができ、災害後の生活の質を維持します。



【安全】繰り返す余震への不安

 第3位には「余震や二次災害の恐れ(47.7%)」が入り、約半数が揺れ続くことへの恐怖を感じています。実際、在宅避難を行うための重要な条件として、62.2%が「家屋が倒壊・破損しないこと」を挙げています。

 安心して自宅に留まり続けるためには、巨大地震だけでなく、繰り返す地震や余震にも耐え続ける構造が必要です。 地震エネルギーを効果的に吸収する「Σ(シグマ)形デバイス」を搭載した、独自のエネルギー吸収型耐力壁「D-NΣQST(ディーネクスト)」。この技術を備えた「持続型耐震構造」※3の住まいであれば、建物の損傷を最小限に抑え、地震後も安心して住み続けることができます。大和ハウスでは、実大三次元震動破壊実験施設「E-ディフェンス」(愛称)にて、大規模な加震実験を実施※4し、国内の観測史上最大級の地震波である阪神・淡路大震災の169kine※5(JR鷹取波)を超える175kine(震度7相当)というかつてない地震波を4回連続で加震しても新築時の耐震性能を維持することを実証しています。

 

Σ形デバイス断面
D-NΣQSTの仕組み

※3 軽量鉄骨造1・2 階建て商品「xevoΣ」で標準。重量鉄骨造3階建て商品「skye3」は制震が標準です。

※4 国立研究開発法人防災科学技術研究所の実大三次元震動破壊実験施設「E-ディフェンス」にて、

2013年9月、xevoΣの大規模な加震実験を実施しました。

※5 kine(カイン)とは、建物に破壊力をもたらす地震波の速度。175kineとは、物体が1秒間に175cm移動する速度です。

 

繰り返す余震に耐え抜く設計と技術―開発者が語る「持続型耐震」の価値

 今回の調査で明らかになった「家屋が倒壊・破損しないこと」への強いニーズと、約半数が抱える「余震への不安」。大和ハウスが提供する「持続型耐震構造」は、まさにこのお客様の切実な不安を解消するために生まれました。一度の大地震に耐えるだけでなく、「繰り返す地震」を前提とした耐震技術はどのようにして生み出されたのか。そして、大空間との両立の裏側にはどのような課題があったのか――。その開発の裏側を、開発者の住宅技術研究所住宅構工法グループ西村健は次のように語っています。

 

 「2011年の東日本大震災を契機に、繰り返しの大地震にも対応できる構造の必要性を感じ開発を進めてきました。結果的に、2016年の熊本地震では震度7が2回発生しており、繰り返し地震対応の必要性が証明されました」

 

 この「繰り返す地震」に耐え抜く強さの核となるのが、独自の「Σ(シグマ)形デバイス」です。その独特な形状に行き着くまでの苦労について、開発者はこう明かします。

 

 「エネルギー吸収量は『硬さ』と『しなやかさ』のバランスで決まりますが、プレートを縦方向に使うと硬すぎてしなやかさが発揮されず、横方向に使うと硬さが足りません。実際の生産工程も踏まえ、最適なバランスを見出すことに非常に苦労しました」

 

 さらに、大和ハウスの住まいの特長である「天井高2m72cmの大空間」と「高い耐震性」の両立も、決して容易な道のりではありませんでした。

 

 「柱や梁、耐力壁の鋼材断面を大きく太くすれば、大空間を成立させることはさほど難しくありません。しかし、それではお客様に提供する住空間やコストにすべて跳ね返ってきてしまいます。壁の厚さをできるだけ薄くし、部屋の空間を狭くすることなく耐震性も確保するという点は、非常にハードルの高い開発でした」

 

 強さと広さを妥協なく追求した背景には、開発者が描く「住まい」への強い想いがありました。今回の調査結果を受け、開発者はこう締めくくります。

 

 「地震後の余震はもちろんですが、その後の仕事や子どもの学校のことなど、生活面の不安もたくさんあります。できるだけ早く元の日常生活に戻るという点からも、お客様の不安を取り除くことは重要だと改めて思いました。地震後も家族と安心して生活できる場所であってほしい。この技術に満足することなく、さらなる安全・安心につながる技術開発を進めていきたいと思います」

 

安心して住み続けるための条件は、水・電気の自給自足と繰り返す余震への強さ。

 今回の調査では、防災対策として購入したもの・今後購入したいものの双方で「大容量モバイルバッテリー」が上位に入り、非常時の電源確保が生活者の「備え」として定着している実態が明らかになりました。さらに、「蓄電池」や「住宅」そのものを防災対策として検討する声も挙がっており、エネルギーや暮らしの基盤そのものを強化したいという意識の高まりが見て取れます。

 浮き彫りになった「水」「電気」「安全(耐震)」への切実な不安。大和ハウスでは、こうした課題に対する備えとして、電気の自給自足ができる「災害に備える家」を展開しています。巨大地震や繰り返す余震に耐え抜く「持続型耐震」と、在宅避難のストレスを軽減する「高天井の大空間」という建物の強靭さ。そこに、今回の調査で満足度No.1となった「雨水貯留タンク」や、雨天でも電気・暖房・給湯を確保※6できる「全天候型3電池連携システム」を組み合わせることで、災害後も自宅で“我慢しない”暮らしを支え続けます。

 

 大和ハウスは、今回の調査で明らかになった「在宅避難」への強いニーズと、それを阻む課題に対し、「災害に強い家づくり」に向けたさらなる研究開発を続けています。災害後も“我慢しない”暮らしを守るレジリエンスの高い住まいの普及を通じて、安心安全な社会の実現に貢献してまいります。

 

 現在、大和ハウスでは「春の住宅フェア」を開催中です。多くのオーナーさまが実感されている「広々とした大空間」と、もしもの時の「安心」を両立した、「大空間×高耐震」の住まいを、ぜひお近くの展示場でご体感ください。

 

電気の自給自足ができる「災害に備える家」の詳細はこちら

実際の住まいを体感できる「住宅フェア」はこちら

 

 

<調査概要>

• 調査名称:災害の多様化と意識調査

• 調査期間:2025年9月26日~9月29日

• 調査手法:インターネット調査

• 調査対象:全国20~89歳の男女(被災経験者※7かつ現在対策実施者)

• 回答者数:2,678名(事前調査 20,070名より抽出)

 

※6 水道・ガスが使える場合

※7 被災経験者:被害経験 または 避難経験(検討含む)のある方