国立がん研究センターは23日、小児がんの一種「神経芽腫」の再発を抑える国内未承認の薬を、臨床研究として患者に投与すると発表した。海外の薬が国内で使えない「ドラッグロス」解消に向けた取り組みの一環。

 神経芽腫は、標準治療終了後も再発しやすい「高リスク」の患者が一定数いるが、国内では有効な予防法が限られる。

 臨床研究で投与する「エフロルニチン」は、がんの増殖を促進する「ポリアミン」という分子を減らす作用がある。米国では2023年に承認されたが、日本国内では承認に向けた臨床試験などは行われていない。

 臨床研究の対象は、最初の治療で効果が確認された0〜29歳の高リスク患者。同センター中央病院など計5施設で最大30人に投与し、安全性や有効性を確かめる。薬は米製薬会社が無償で提供する。

 中央病院の荒川歩小児腫瘍科長は「国内患者から要望が強い薬だった。ドラッグロス回避の一つの例になる」と話した。

 同センターは、未承認や適応外の薬を、小児や「AYA」と呼ばれる若年世代のがん患者に投与する臨床研究を進めている。