大気中のメタン濃度の推移

 温室効果ガスであるメタンの大気中濃度が、新型コロナウイルスの流行が一因で2020〜22年に急上昇したと、フランスのパリ・サクレー大などのチームが22日までに発表した。経済活動の低迷で大気中の窒素酸化物(NOX)が減り、メタンを分解する物質が合成されにくくなっていた。

 メタンは天然ガスの主成分。湿地や水田、ウシの胃にいる微生物の呼吸でも発生する。一部は大気中の物質「OHラジカル」との化学反応で消失している。大気汚染につながるNOXはOHラジカルを増やす効果があり、工場や飛行機などの利用が減るとOHラジカルは減少する。新型コロナの流行期は、メタンを消失させる反応が起こりにくくなり、メタン濃度が上がったとみられる。

 米海洋大気局(NOAA)によると、観測を始めた1980年代から99年まで、化石燃料の利用でメタン濃度が増加した。その後は横ばいだったが、07年ごろ再び増加に転じ、20〜22年は上昇幅が過去最大を記録した。