~海水を用いたカーボンリサイクル技術の商用化に向けた研究開発を推進~

2026年7月16日
早稲田大学
株式会社ササクラ
住友大阪セメント株式会社
株式会社TBM

NEDO「カーボンリサイクル・次世代火力発電等技術開発/CO2有効利用拠点における技術開発」に採択 ~海水を用いたカーボンリサイクル技術の商用化に向けた研究開発を推進~

 

詳細は早稲田大学HPをご覧ください

 

株式会社ササクラ(社長:笹倉慎太郎、本社:大阪府大阪市)、住友大阪セメント株式会社(社長:諸橋央典、本社:東京都港区)、株式会社TBM(社長:山﨑敦義、本社:東京都千代田区)、学校法人早稲田大学(理事長:田中愛治、所在:東京都新宿区)の4者は、NEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)が公募した「カーボンリサイクル・次世代火力発電等技術開発/CO2有効利用拠点における技術開発(補助事業)」(以下、「本事業」)に応募し、採択されたため、7月3日より本事業を開始いたしました。

*本事業の幹事会社は株式会社ササクラ(研究代表者:島田統行(しまだ のりゆき))、研究統括者は早稲田大学理工学術院・中垣隆雄(なかがき たかお)教授です。

 

(1)背景

広島県大崎上島のNEDOカーボンリサイクル実証研究拠点(以下、実証拠点)において、CO2の有効利用技術の開発と社会実装の促進に向けた研究開発事業を推進しています。早稲田大学と株式会社ササクラは、2022年度から2025年度まで実証拠点にて、「海水を用いた有価物併産カーボンリサイクル技術実証と応用製品の研究開発※1」(以下、前事業)を実施してきました。

 

前事業において、実証拠点の海水20トン/日の処理能力を持つプラントを設置して、カーボンリサイクルの原料となるマグネシウムのほか、石膏をはじめとする高純度な併産品を高い収率で得られる連続運転を確立しました。マグネシウムは、実証拠点のCO2を気固接触、気液接触などの方法で炭酸マグネシウムとして固定化した上で、その応用製品として普通ポルトランドセメントを一切用いず、圧縮強度も従来のコンクリートと同等以上の圧縮強度を有する新しいコンクリート材料※2になりえることを確認し、WMaCS®と名付けて商標登録※3しました。また、海水から生成した石膏を用い、協力企業の吉野石膏株式会社によって、JIS A 6901に適合した石膏ボードの試作にも成功しました。これらの研究成果が認められ、国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)からSTI for SDGsアワード2025年度奨励賞※4を受賞しました。

 

今般、採択された本事業は、カーボンリサイクル製品の事業化を視野に、カーボンリサイクル材の生成工程高度化を株式会社ササクラが幹事会社として実施します。また、住友大阪セメント株式会社と株式会社TBMがWMaCSを用いたカーボンリサイクル応用製品の実用化を目指し、早稲田大学は3社との共同研究として研究開発を行います。

 

(2)実施内容

7月3日より開始した本事業では、下記、研究開発項目を実施いたします。

 

・研究開発項目A:カーボンリサイクル材生成工程の高度化(ササクラ、早稲田大学の共同実施)

海水淡水化プラントおよび蒸発濃縮装置の機器製造・エンジニアリングのリーディングカンパニーである株式会社ササクラが、前事業における商用化への課題解決として、

 A-1:CO2固定量増加のためのMg損失改善

 A-2:気固接触によるカーボンリサイクル材生成工程の改善

 A-3:商用化のための作業効率化と工程連続化

を早稲田大学と共同で実施します。なお、併産品として得られる石膏については、前事業と同じく吉野石膏株式会社が協力企業として商用化を目指します。

 

・研究開発項目B:カーボンリサイクル材応用セメント系材料の性能向上と実用化評価(住友大阪セメント、早稲田大学の共同実施)

NEDOグリーンイノベーション基金事業として廃棄物由来CaとCO2を炭酸塩化した人工石灰石製造・利用技術開発を実施している住友大阪セメント株式会社が、新たに海洋起源MgにCO2を炭酸塩化・固定化しかつセメント代替として建設材料に利用する実証研究・評価を担うことにより、WMaCSの商用化を目指します。具体的には、

 B-1:カーボンリサイクル材応用コンクリートの性能向上

 B-2:カーボンリサイクル材応用セメント材料の実用化評価

 B-3:コンクリート製品への適用可能なカーボンリサイクル材生成工程の確立

を早稲田大学と共同で実施します。

 

・研究開発項目C:カーボンリサイクル材応用新素材開発(TBM、早稲田大学の共同実施)

カーボンリサイクル技術を活用した炭酸カルシウム及びカーボンリサイクル建材を製造・販売する株式会社TBMが、WMaCSの応用新素材を開発し、商用化を目指します。具体的には、

 C-1:カーボンリサイクル材の熱可塑性樹脂への高充填技術開発

 C-2:カーボンリサイクル材配合素材の用途開発

 C-3:実機設備を用いた実証試験

 C-4:応用新素材への適用可能なカーボンリサイクル材生成工程の確立

を早稲田大学と共同で実施します。

 

図1:実証拠点に設置済みのカーボンリサイクルシステムのフロー図

 

(3)採択課題情報

事業名

NEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)

「カーボンリサイクル・次世代火力発電等技術開発/CO2有効利用拠点における技術開発」のうち、2.研究拠点におけるCO2有効利用技術実証(補助事業(補助率2/3) 

 

研究課題開発名

海水を用いたカーボンリサイクル技術の商用化に向けた研究開発

 

研究開発期間

2026年7月3日〜2028年3月末日(予定)

 

体制図

 


図2:研究開発体制図

 

(4)用語解説

※1 カーボンリサイクル・次世代火力発電等技術開発/ CO2有効利用拠点における技術開発/研究開発拠点におけるCO2有効利用技術開発・実証事業に採択 「海水を用いた有価物併産カーボンリサイクル技術実証と応用製品の研究開発」早稲田大学、ササクラ(研究代表者:中垣隆雄) https://www.waseda.jp/top/news/85546

 

※2 実用性の高いカーボンリサイクル製品として、海水とCO2を原料とした全く新しいコンクリートを開発https://www.waseda.jp/inst/research/news/78391

 

※3 商標登録第6829796号

 

※4  STI for SDGs 2025年度 奨励賞 海水を用いた有価物併産カーボンリサイクル技術実証 団体名:早稲田大学、株式会社ササクラ、吉野石膏株式会社

https://www.jst.go.jp/ristex/sdgs-award/result/2025/result202510.html