立命館宇治に逆転勝利した有明ナインに声援を送る応援団=7日、甲子園球場

 兵庫県西宮市の甲子園球場で行われている全国高校野球選手権大会で7日、大地震に見舞われた熊本代表の有明が初戦に臨み、初出場で劇的な甲子園初勝利を挙げた。実田聡志主将の父昭宣さん(49)は整列するナインに感極まった表情で「ナイスゲーム!」と声をからした。

 立命館宇治との1回戦は2―3の九回2死から逆転に成功。最後まで諦めず戦い抜く勇姿を地元に届けた。

 実田は熊本県西原村出身。10年前の熊本地震で家が全壊し、仮設住宅で約3年を過ごした。親子のキャッチボール場だった公園は廃棄物集積所となって使えなくなり、震災翌年にチームに入団して本格的に始めた。高校最後の夏、初の甲子園は大きな期待を背負う運命となったが、気遣う父のLINEに「ありがと」といつも通り淡泊に返して集中した。

 学校は荒尾市にあり、部員や家族に大きな被害はなかった。7月30日に大阪入り後は多くの人に「熊本頑張れ」と声をかけられ、開会式の行進ではひときわ大きな拍手を浴びた。実田は「勝つことでいろんな人に勇気を与えられると思う」と、真夏の躍進を誓った。