「南枝早春」と夢二郷土美術館の小嶋ひろみ館長代理=6月、岡山市

 大正ロマンを代表する画家竹久夢二(1884〜1934年)が亡くなる前年、ドイツのベルリンで描いた作品「南枝早春」が「夢二郷土美術館」(岡山市)に寄贈され、9月に同館で始まる特別展で一般公開される。

 雪の積もる梅の枝を背景に、日本髪に赤い着物の女性が肘をつき、物思いにふける様子が描かれている。油彩画を思わせる重厚な色使いや、額装を前提とした西洋的な画面構成が特徴。外遊先だったドイツ滞在中の作品は確認されている数が少なく、貴重だという。

 小嶋ひろみ館長代理は「筆で描く墨の線を生かしながら、西洋絵画的な表現にたどり着いた新たな画風だ」と説明。外遊中の足跡は明らかでないことも多く「亡くなる直前まで『夢二式美人』の表現を追究していたことが分かる」と評した。

 夢二は1931年に日本を離れ、欧米を約2年半にわたり外遊した。ドイツの芸術学校「バウハウス」の元指導者が開いた画塾で日本画を教えるため、33年1月から約5カ月間ベルリンで過ごした。

 特別展「夢二とドイツ」は9月4日から12月6日まで。