長崎市の平和公園を訪れ、平和祈念像の前で手を合わせる人たち=9日午後

 灰色の雲が空に広がった長崎市中心部では9日、被爆者や遺族らが81年前に思いをはせて手を合わせ、鎮魂の祈りをささげた。「原爆のない世界に」。市民らは核を巡る世界情勢に危機感を強め、日本政府に核兵器廃絶に向けて主導的役割を果たすように求めた。

 平和公園には犠牲者を悼む人たちが次々と訪れた。胎内被爆した長崎市の石丸一三さん(80)は、被爆体験を口にしてこなかった母が亡くなる前「恐ろしかった」とつぶやいたのが印象に残っている。「原爆はむごい。若者に思いを託したい」と静かに手を合わせた。

 初めて平和公園の式典に参加した長崎県立大1年林原舜之介さん(18)は被爆した曽祖母の身体に残るやけどのような傷が記憶に残る。「自分のような世代が受け継いで、つなげていかないといけない」と語った。

 浦上天主堂(浦上教会)で早朝開かれたミサには約250人が参加し、追悼した。

 爆心地公園に来た長崎市の中間清孝さん(86)は「日本は唯一の被爆国として、核兵器禁止条約に参加すべきだ」と訴えた。