10代ろう者のためのセクシュアリティサポートブック

 聴覚障害のある性的少数者を支援する団体が、多様な性自認や性的指向などの在り方について理解を深める「10代ろう者のためのセクシュアリティサポートブック」を発行している。団体によると、ろう者の子ども向けにこうした教材ができるのは全国初。代表の山本芙由美さん(44)は「二重のマイノリティーとして孤独を抱える子どもたちに『仲間はいるよ』と伝えたい」と話す。

 団体は「Deaf LGBTQ Center」(神戸市)。2014年の設立以来、学校での講演や手話通訳者向けの研修を行ってきた。教育現場での支援の現状を知るため、24年に全国80のろう学校にアンケートを実施。「どう伝えて良いか分からない」「適切な資料がない」といった声が寄せられたことを機に教材の制作を始め、25年10月に発行した。

 「LGBTQ+」「カミングアウト」「同性婚」など性の多様性に関する手話表現を写真で掲載。「生徒数の少ないろう学校はコミュニティーが狭く、アウティングが怖い」など10代当事者が持つ悩みや、制作メンバーの体験談もまとめた。