首相官邸

 長期金利が1日、約30年ぶりに3%の大台に乗った。背景には、高市早苗政権の積極財政政策による財政悪化への懸念がある。金利高騰はこうした懸念と真摯に向き合わない政権に対する市場からの警鐘といえる。

 高市政権が発足した昨年10月に1%台後半だった長期金利は、中東情勢混乱に伴う原油高によるインフレへの懸念も相まって上昇を続けてきた。

 政権は今年8月、2年に限り飲食料品の消費税率を1%に引き下げる方針を決定したが、10兆円近い税収減の代替財源を示していない。来年度予算編成の各省庁からの概算要求額が過去最大の143兆円前後に膨らむ見通しとも報じられ、市場の不安は募る一方だ。

 日銀が9月の金融政策決定会合で利上げを決めるとの観測が高まったことも金利を押し上げた。物価上昇に対し利上げが後手に回る恐れも指摘され、金利上昇圧力は一層強まりそうだ。

 金利上昇は国債の利払い費の増加を通じて財政の足を引っ張るとともに、暮らしや企業活動にも悪影響を及ぼす。政府は市場の警告に耳を傾け、財政規律を抜本的に立て直すことが求められる。