土石流の状況を振り返る駒沢大の別所裕介教授=2日、カトマンズ(共同)

 【カトマンズ共同】激しい濁流から上がる水煙とごう音―。ネパール中部と中国チベット自治区の国境付近で起きた土石流を間一髪で逃れた日本人研究者が2日、ネパール首都カトマンズで共同通信の取材に応じた。約2キロ先を流れた土石流の猛威を振り返り、家族の消息が途絶えた地元同行者への沈痛な思いを語った。

 宗教学が専門の駒沢大の別所裕介教授(54)は8月21日、チベット自治区からネパールに入国。カトマンズで学会に参加した後、25日から再び両国国境に向かった。26日朝、宿泊した中部ビドゥールを出発し、ネパール人男性が運転する車で高台の道を北上している時だった。

 「前を走るバスが止まり、道ばたに10人くらい集まっていた。両手を合わせて祈るような格好の人もいた」。車を降り、何をしているのか尋ねると上流で洪水が起きたと知らされた。山道から約2キロ離れた川方向を見ると水煙が上がり、ごう音が聞こえてきた。近くの展望台に行って見下ろすと、激流が家々をのみ込んでいるのが見えた。