新社務所の完成を祝い、1日限定で展示された名刀「吉則」=中津川市福岡、榊山神社

 岐阜県中津川市福岡の榊山神社で、室町時代の作とされる同神社所蔵の太刀「吉則(よしのり)」(国重要文化財)が披露された。刀身の手入れを機に1970年から別の場所で保管されており、1日限定ながら52年ぶりに戻ってきた名刀に氏子らがじっくりと見入った。

 太刀は刃長75・6センチ。全体に古風で、肌模様が美しく現れている。江戸時代の1823(文政6)年に白河藩から苗木藩の遠山家に贈られた。明治に入って遠山家に縁のある同神社に奉納された。1970年に刀身の手入れが行われたのを機に、東京国立博物館に寄託された。

 地元の希望もあって2009年から市苗木遠山史料館で保管され、同館で2回ほど展示されることはあったが、神社に戻る機会はなかった。今回は新社務所の内覧会に合わせて1日限定で披露された。

 神社には多くの氏子らが訪れ、磨き上がった名刀を間近で見つめた。社務所には神社史が掲示され、例大祭で使われる四神旗や獅子頭、竣工(しゅんこう)記念に贈られた絵画なども並んだ。深谷耕平宮司(65)は「神社の歴史に理解を深め、ますます神社に協力してもらえたら」と話した。