広島市にある放射線影響研究所(放影研)は26日、来年度の移転を前に、米国が設置した原爆傷害調査委員会(ABCC)の職員寮などとして約70年間使われた「比治山ホール」を一般公開した。建物内で神奈川大の松隈洋教授(近代建築史)が講演し、建物の建築的価値を紹介するイベントも行った。
比治山ホールは、東京都美術館などを手がけた建築家前川国男が設計し、1953年に完成。2023年7月まで理事や研究員らが暮らした。館内の食堂は居住者以外の職員も使っていたという。つり階段や外壁の要らない水平に広がる大きな窓など、近代建築の手法が取り入れられた。
松隈教授は講演後「前川氏が全面ガラス窓を施す手法を用いた初期の建物。お金や工期をかけずに合理的に建てられた。風通しや見晴らしが良く、快適に過ごせるのが分かる」と話した。
東京都文京区から来た服飾デザイナー辻徹さん(58)は「安心して幸せに暮らせる、人のための建築だと思う。初めて見たつり階段もおもしろい。移転後も残してほしい」と笑顔を見せた。








