岩井コスモ証券

 岩井コスモ証券(大阪市)は21日、インターネット取引システムの委託先に「悪意ある第三者」がサイバー攻撃を仕掛けたことで、客の意図しない売買が発生したと発表した。人工知能(AI)を使った可能性があり、5口座で取引が成立。企業を狙った最近の不正アクセスを巡り、金融機関の被害が確認されたのは初とみられる。個人情報の漏えいによる「口座乗っ取り」ではなくシステムそのものが乗っ取られた事態は深刻で、政府は原因分析を求めた。

 不正アクセスを受けたのは、ネット取引のシステム運用・保守業務を委託するトレードワークス(東京)。AIがシステムの脆弱性を突き、手当たり次第に攻撃したとみられる。14日に検知しアクセス制限などの緊急措置を取ったが、遮断までの間に7口座で売買注文が発注され5口座で不正な取引が起きた。トレードワークスは「AIと断定はできない」と主張するが「総当たりの攻撃」(岩井コスモ)はAIの疑いが強い。

 岩井コスモは20日に不正取引を発表。既に取引前の状態に戻す措置を終え、顧客の金銭的負担は生じていないと説明した。