原田祐平会計検査院長(左)から2025年度決算検査報告を受け取った高市首相=5日午後、首相官邸

 店頭からコメが消えた「令和の米騒動」を受けた政府の備蓄米放出で、小売業者などへの売り渡しが長期化し、申し込みから最長10カ月を要したことが5日、会計検査院の調査で分かった。国民に迅速にコメを届けることを掲げたが、当初想定した3カ月以内に完了できなかった実態が確認され、備蓄米活用の課題が浮き彫りに。検査院は「より効率的な運営で、国民の食生活の安定に努めることが重要だ」と指摘した。

 農林水産省は25年3月に一般競争入札で、同年5月に随意契約で放出を開始。売り渡しに要した1業者当たりの平均期間は入札が57・6日、随契が72・2日だった。随契の27・9万トンのうち、当初設定した期限の同年8月までに売り渡したのは18・4万トンで、全体の66%。全量の売り渡しは今年3月末にずれこんだ。

 検査院は長期化の要因を「複合的」とし、随契では長期間保管されたコメが対象で品質検査に時間を要し、容量の小さい紙袋での保管分で作業効率が落ちた点や、業者数が延べ897に上り、運送調整にも時間がかかったことを挙げた。