東京電力福島第1原発事故の賠償や除染費用などとして国が東電に用意した無利子の貸付枠15兆4千億円を使い切った場合、全額回収には最長で39年後の2065年度までかかることが5日、会計検査院の試算で分かった。国は民間金融機関から資金を借りているため、利息分は国民負担となる。
原発処理水の海洋放出など事故に伴う賠償が拡大していることを受け、貸付枠は24年度予算で13兆5千億円から15兆4千億円に引き上げられており、検査院が22年に公表した前回試算より最大1年長期化した。
国は交付国債を発行し、原子力損害賠償・廃炉等支援機構を通じ無利子で東電に貸し付けている。東電などの原子力事業者は実質的な返済として毎年度「一般負担金」を機構に納付。東電はさらに「特別負担金」も納め、25年度分は400億円だった。
試算の結果、機構が保有している東電株の売却益を株価614・9円で計算し、特別負担金を26年度分以降も毎年度400億円としたケースで、全額の回収に65年度までかかった。最短のケースは50年度だった。







