名古屋税関は2021年の管内の輸出実績(名古屋港、中部国際空港の合計)をまとめ、岐阜県関係では、関市一帯での生産が大半を占める包丁を中心とした台所用刃物の輸出が金額ベースで前年比19・3%増の61億3800万円と過去最高となった。県関刃物産業連合会の鈴木良春会長は「他の港や空港からの輸出もあるため、全体ではさらに伸びている。新型コロナによる巣ごもり需要で、特に欧米や中東から高品質な関刃物への需要が高まっている」と語る。

 台所用刃物は包丁や万能はさみ、ピーラーなどの刃物製品。税関担当者も「日本食ブームもあり、高性能の日本製刃物への信頼の高さがうかがえる」と話す。国内全体の輸出実績に占める名古屋税関管内の比率は高く、数量では73・2%、金額でも51・8%とともに半数以上に上る。

 国、地域別実績は、名古屋港では数量ベースで中東向けが48・9%と最多、金額ベースではアジアと北米向けがそれぞれ約3割、中東向けは8・5%にとどまった。税関担当者は「中東向けは主に小型の調理用ナイフを海上輸送で大量輸出している。日本製の刃物を求める富裕層は、主に使用人が調理をするため、単価が上がらない傾向がある」と指摘する。

 一方、中部国際空港は数量、金額ともに北米向けが約6割で、ドイツを中心とした西欧が約3割を占めた。鈴木会長は「約20年前から続ける、海外の見本市への出展を通した関刃物のブランドが浸透してきた証し。鋼材の価格高騰の影響は出ているが、品質に見合った価格が受け入れられる土壌もある。円安の追い風も受けて今後もさらに伸びるだろう」と展望する。