閑散とした館内。普段は多くの子どもたちの遊ぶ姿が見られる=1日午後、岐阜市長良、長良児童センター

 新型コロナウイルスによる肺炎(COVID19)の感染拡大を受け、岐阜県内の小中高校は2日から順次、臨時休校する。普段は親子連れでにぎわう岐阜市の児童館は1日、休業前の最後の開館日だったが、利用者の姿はまばらで感染への不安の広がりを感じさせた。岐阜新聞「あなた発!トクダネ取材班」には、県内の保護者から「明日から一人で留守番をする子どもが心配」「外出できないので、勉強や読書をさせたい」など、休校中の過ごし方に対してさまざまな声が寄せられた。

 岐阜市の会社員女性(42)は、学童保育に小学4年の子を預けようとしたが、希望者が多いためか人数制限で受け入れを断られた。勤務先の会社は在宅での仕事や子連れ出社を認めているが、夫婦共に外回りが多いため利用は難しいといい「実家に預けたり、夫と休みを取り合ったりして対応するしかない」と頭を悩ませる。

 一方、「自立心や自己管理能力を養う機会にしたい」と前向きに話すのは、小学4年、中学2年、高校3年の子がいる大垣市の看護師女性(48)。授業を受けられない代わりに、1日の勉強時間や趣味、読書などを書き込む紙を渡し、生活の充実を図る。小学3年の子を持つ大垣市のパート女性(39)は「子どもが一人で留守番するが、祖父母の助けも借りて、なるべく一人の時間をなくしたい」と話した。

 普段は学校外での子どもの居場所となる児童館も2日から休館する。岐阜市長良の長良児童センターの担当者は「いつもなら子どもたちの楽しそうな声に包まれているのに...」と、困惑した表情を浮かべる。

 毎週末、遊戯室や図書学習室には大勢の乳幼児や児童らがひしめき合うが、この2日間は普段の3分の1程度。16日まで休館となるため「子どもの居場所がなくなってしまい申し訳ない。保護者の負担も大きいので心配」と肩を落とした。

 同市青柳町の本郷児童センターも閑散とした様子。3歳の長男を連れて訪れた岐阜市の会社員女性(32)は「周囲と触れ合って遊べる場所が少なくなるが、感染拡大を防ぐには仕方ない」と冷静に受け止めた。

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