週末の客でにぎわう玉宮地区=12日午後7時5分、岐阜市住田町

 新型コロナウイルスの感染防止対策に伴う岐阜県の飲食店への時短要請が全面解除され、14日で1カ月。県内の飲食街は週末の人出は回復しつつある。週末に限れば完全復調と強気な飲食店もあるが、平日を含めるとにぎわいの戻りはまだ総じて鈍い。年内の回復は難しいと予想する声も上がる。

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 県内有数の飲食街、岐阜市玉宮地区。串焼きやおでんの店など6店舗を展開する花串庵グループ代表の小野木浩司さん(60)は「うちは8割ほど回復した」と話す。先月は客数の戻りが鈍かったが、11月に入り、特に週末に人出が戻ったという。11月最初の週末だった5、6日はいずれの店舗もほぼ満席だった。ただ、1グループの人数は多くても4、5人ほど。「かつてのような10人という規模はまだ見込めないのでは」と慎重だ。

 玉宮地区の北部、柳ケ瀬の老舗居酒屋菊川酒蔵。店長の岩木正弘さん(44)は「うちは6割かな」。同じく週末はコロナ前の勢いというが、「平日は落差が激しい」と表情は浮かない。大口の宴会をターゲットとする店だが、感染再拡大を警戒して、積極的には受け入れていないという。「忘年会の予約も振るわない」と岩木さん。「年内はまだ回復は厳しいかな」と予想する。むしろ第6波が到来し、再び時短営業が要請されたり、酒類提供の自粛を求められたりすることを恐れている。

 年末に向け、繁華街の人出は回復するのか。

 十六総合研究所(岐阜市)が9月に公表した新型コロナウイルス禍における消費意識調査によると、「緊急事態宣言が出ていなければ行く」と答えたのが飲み会で13・8%、外食・カフェで25・2%。「国内の感染が収束してから行く」との回答が飲み会で38・3%、外食・カフェで22・4%と、いずれもワクチン接種のタイミングという回答を大きく上回った。ワクチンを接種した人は増えてきているが、感染状況を見極めている人が多いようだ。

 担当した萩原綾子研究員は「県内の感染人数は減り、明るい兆しが見えるが、多くの企業がまだ飲食の人数制限を出しており、感染の第6波が懸念されることも考えると、本格的な回復はまだ先ではないか」と年内の回復は難しいとの見込みを示す。飲食業界受難の時代はまだしばらく続きそうだ。