「創立90周年は一つの通過点。さらに成長していきたい」と語る岸田英三社長=関市日ノ出町、フェザー安全剃刀日ノ出本部

 岐阜県関、美濃市に生産拠点を置くフェザー安全剃刀(大阪市)は1日、創立90周年を迎えた。1932年に武儀郡関町(現関市)で関安全剃刃製造合資会社として創業し、技術開発と製品の多角化、堅実経営で着実な成長を遂げてきた。岸田英三社長(61)が岐阜新聞社の取材に応じ、これまでの歩みと大きな節目となる100周年に向けた展望を語った。

 ―社の歴史を振り返って。

 「初の国産剃刀替え刃を製造する企業として設立された。その背景には、関の刃物づくりの長い歴史がある。カミソリメーカーとして業績を伸ばし、1953年に現在の社名に変更した。社名は『羽根(フェザー)で頬をなでるような肌触りのカミソリを追求する』という理念からきている」

 ―カミソリ製造の技術を生かして製品の幅とシェアを広げてきた。

 「常に安全、安心に使ってもらえるカミソリ製造に取り組んできた。ミクロンレベルの薄物刃物の技術を生かし、理美容業務用のカミソリ、医療用メスの製造と拡大してきた。現在、理美容業や医療用の製品の国内シェアは60~70%。先人の方たちの先見性が高かった」

 ―こだわってきたことは。

 「品質最優先を徹底してきた。先代はよく『トレンディーよりタイムレス』と語っていた。つまり時代を超えて期待にこたえること。製品は全て国内の自社工場で生産し、100カ国以上に『Made In Japan』の製品を輸出している」

 ―今後の展望は。

 「工場や研究拠点を関市周辺に置いている。豊富な水や災害に強い地盤、地域の雇用という面もあるが、発祥の地という重みがある。90周年は一つの通過点。さらに成長していくために、新しい分野や海外戦略について計画的に進めていく必要がある」