DX推進者になる従業員が集まったキックオフ研修=岐阜市若宮町、トーカイ本社

 デジタルトランスフォーメーション(DX)を進めるために、岐阜県内でもDX人材の育成を始めた大企業や、中小企業の人材育成支援に乗り出す団体が出始めた。外部からDX人材を確保するのが困難な中、多くの企業は自社従業員を育成し、デジタル技術を活用する企業風土の醸成を図ろうとしている。

 病院へのリネンサプライ事業などを手がけるトーカイ(岐阜市)は、現場とデジタルをつなぐ人材を「DX推進者」と位置付け、3年間で180人育成することを盛り込んだDX中期戦略を策定。22日に開いた研修会の初回には小野木孝二社長が出席し、1期生41人を前に「新しいビジネスモデルをつくるフロントランナーとしての役割を期待したい」と訴えた。

 推進者になることが期待されている従業員は、営業職や工場勤務者など多岐にわたる。計55時間程度の講座やワークショップに参加し、人工知能(AI)の基礎、ディープラーニング(深層学習)、統計などの知識やスキルを身につける予定で、担当者は「現場の知識とAIの活用を掛け算すれば、生まれるものが多くある」と従業員育成の意義を強調。社内インフラのデジタル化とDX人材の育成を車の両輪と位置付け「それぞれのノウハウを社内で蓄積、活用できる企業風土を目指す」と話す。

 中小企業の間でも、DX人材を内部で育成するニーズが高まっている。IT支援を行っているソフトピアジャパン(大垣市)はコロナ禍の一昨年から企業のヒアリングを続けているが、育成研修を求める声は多く寄せられているという。担当者は「ITに精通した人材は慢性的に不足しており、社内の人材を育てる手段を選ぶ企業が多い」と分析。このため、9月末から来年2月にかけて「DX人材育成事業」を初めて実施することにした。

 県内の中小企業を対象に、経営者、中間管理職、一般従業員に分けてオンライン形式で研修を開く予定。担当者は「中小企業のDX推進の根底にあるのは、生産性の向上。新たに始める研修が、DXやIoT(モノのインターネット)を進めるきっかけになれば」と話している。