第104回全国高校野球選手権岐阜大会最終日は28日、岐阜市の長良川球場で決勝を行い、連覇を狙う県岐阜商が初優勝を目指す帝京大可児に延長の末、7―6でサヨナラ勝ちし、2年連続30度目の甲子園出場を決めた。
県岐阜商は、好調な打線が引っ張り、1試合8点以上を挙げて決勝まで勝ち進んだ。決勝では、逆転を許した直後の八回裏に5連打で同点に追いつき、延長十一回に村瀬海斗のソロで試合を決めた。
全国高校野球選手権は8月6日に甲子園で開幕。組み合わせ抽選は3日に行われる。
県岐阜商7―6帝京大可児
県岐阜商が今大会初の延長戦を劇的なサヨナラ勝ちで制し、2年連続30度目の甲子園出場を決めた。
2―6の八回に伊藤、河合・三塚の3連続適時打を含む5連打で一気に同点。延長十一回は、村瀬が右越え本塁打を放ち、激闘に決着をつけた。九回以降は2番手小西が3回を無失点に抑えた。
帝京大可児は八回に鈴木の3点打などで一時4点リードを奪ったが、守り切れなかった。
サヨナラ本塁打 激闘に終止符
延長十一回。県岐阜商の村瀬海斗が放ったライトポール直撃の一打は、延長までもつれた激闘に終止符を打ち、2年連続30度目の甲子園出場を呼び込むサヨナラ本塁打となった。村瀬は「打った瞬間に入ったと思った。うれしい」とはにかみながら振り返った。
終盤に勝負強さを発揮し、勝ち上がってきた今大会を象徴する決勝となった。八回に4点差を背負ったが、「選手に焦りはなかった」と鍛治舎巧監督。言葉通り、直後の攻撃で先頭から長短打を含む5連打であっという間に同点。自慢の強打で、それまで抑えられていた相手2番手を捉え、サヨナラ勝ちにつなげた。
甲子園では、昨春、昨夏ともサヨナラ負けで初戦敗退と、悔しい思いが続く。「(甲子園には)大きな忘れ物がある」と監督が言えば、主将の伊藤颯希は「自分たちの粘り強く攻める野球で圧倒して勝ちたい」と夢舞台での躍進を誓った。