リフォーム中のジムを前に、「世界王者を輩出する夢を追い掛けたい」と語る杉田竜平さん=岐阜市南蝉

 岐阜県飛騨市古川町出身で、元日本スーパーフェザー級王者の杉田竜平さん(44)が高山市に開いていたボクシングジムを5月に岐阜市へと移転する。ジムは、世界戦で敗れた"因縁"の岐阜メモリアルセンター(同市)すぐ近くに構えた。「いまだに諦めがつかない場所での再出発。志の高い人たちと共に、『世界王者を輩出する』という夢を追いたい」と意欲を見せる。

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 杉田さんは高校時代は独学でボクシングを学び、元世界ボクシング評議会(WBC)スーパーバンタム級王者畑中清詞会長が開いた畑中ジムに入門、1995年4月のプロデビュー戦で勝利した。97年には全日本新人王のMVP、98年に日本スーパーフェザー級の王座を獲得。2004年に同センターで行われた世界ボクシング協会(WBA)同級王座戦で敗れ、06年に引退した。

 11年に高山市内にジムを開き、17年にはプロボクサーを輩出できる公認ジムの認定を受けた。「飛騨から世界王者」を目指し、これまでに自身と同じ飛騨生まれのプロボクサーを3人育ててきた。

 一方、「言い訳にしたくはないが、出稽古に時間がかかり、選手も集まりにくい環境ではあった」と振り返る。認定後の4年間の試合数は、3人の計5戦のみ。他地域のジムとの交流にも移動にハンディがあるなど、壁にぶつかった。

 移転を決めた理由を「待っているだけではなく、アクセスの良い場所で、志が高い選手に集まってもらいたい」と語る。そして、ジムの場所は岐阜市にこだわった。04年の世界戦では飛騨から大応援団が駆け付けてくれたが、7回TKO負け。「期待に応えることができず、悔しさしか残らなかった。岐阜市は自分にとって意地と夢を置き忘れたままの因縁の場所」。岐阜メモリアルセンターから直線距離で約500メートルの岐阜市南蝉にジムを構えた。

 「『飛騨から世界王者を目指す』と言いながら、岐阜市に移転して、批判もあると思う。だからこそ、世界王者を必ず輩出する」と強い覚悟を口にする。オープンと同時に、飛騨市出身の選手を迎え入れる予定だ。「チャンピオンを育てることが自分を支えてくれた人たちへの恩返しになる」と決意をにじませた。

 オープンは5月21日を予定。移転にかかる資金の一部をクラウドファンディングサイト「CAMPFIRE(キャンプファイヤー)」で募っている。