新型コロナウイルスの感染者急増を受けて、岐阜県が5日に発令した「県BA・5対策強化宣言」では、逼迫(ひっぱく)する医療機関の業務軽減と保健所業務の簡素化に向けた新たな対策をまとめた。お盆期間中に診察する医療機関を昨年比で約330機関増やすほか、自ら検査してオンラインで陽性を登録する「県陽性者登録センター(仮称)」を開設。陽性者の同居家族に対する検査は実施しないこととした。

 県によると、感染者の増加により4日時点で19の医療機関が入退院を、4機関が救急外来をそれぞれ制限している。7月の救急搬送の困難事案は49件に上り、休日に救急外来を開設する一部病院に患者が集中。保健所の対応も限界を迎えている。

 県は、お盆期間中に診察する医療機関を県や市町村のホームページで公表する。土日祝日(5日間)に診療を実施する医療機関は延べ827機関で、昨年の同期間から329機関増えた。

 また、発熱外来の負担軽減を目的に「県陽性者登録センター」(仮称)をお盆前までに立ち上げる。症状のある人に抗原検査キットを配布し、自ら検査をしてもらい陽性を登録する。

 保健所業務の簡素化では、陽性判明者の同居家族に対する検査を今後は実施しない。ハイリスクでない40歳未満の陽性者への聞き取り調査も実施せず、ショートメッセージで連絡する。また、自宅療養者の毎日の健康観察は、ハイリスク者以外の対象者をこれまでの50歳以上から、65歳以上に限定する。

 5日の対策本部員会議では、医療関係者から医療提供体制の危機的状況や、感染防止対策の徹底について意見が出た。県医師会の伊在井みどり会長は「医療機関へ夜中や休日に『熱が出たので調べてほしい』と駆け込む患者がいる。医療機関や本人の負担になるのでできる限りやめていただきたい」と強調。県病院協会の松波英寿会長は「ワクチン接種を進めるほか、マスクの着用や定期的な換気を心がけることで、感染リスクや医療逼迫は抑えられる」と呼びかけた。