休日診療を行う岐阜市休日急病センター。盆休みには多くの診療所が休みになることから発熱患者の受診急増に備える=岐阜市鹿島町

 新型コロナウイルスの感染者が増加の一途をたどる中、岐阜県医師会は、県内の地域医師会に協力を求め、各地の休日診療所などで新型コロナ患者の受け入れ拡充を進めている。多くの診療所が休診する盆休み中に、基幹病院に新型コロナの疑いのある発熱患者が集中する事態を避けるのが狙い。これまで新型コロナの疑いがある発熱患者の対応をしていなかった休日診療所でも診療を行う。

 先月の3連休で救急外来を設ける県内の基幹病院に発熱患者が集中したことを受け、県が県医師会に対応を求めていた。大垣市、高山市などの医師会では盆休みを前に、新型コロナの休日診療の拡充を進める。県医師会の伊在井みどり会長は「盆休みが明ければ発熱外来をする診療所も多くが再開する。まずはそこまで乗り切り、基幹病院の救急外来が逼迫(ひっぱく)する事態を防ぎたい」と話す。

 岐阜市民病院(岐阜市鹿島町)内にある岐阜市休日急病センターでは、同市医師会が協力し、これまでも新型コロナの疑いがある発熱患者を診てきたが、検査で陽性と診断された時点で軽症者も含めて同病院へと引き継いでいた。しかし、救急外来で熱中症など新型コロナ以外の患者も治療する同病院の負担を減らすため、先月31日の診療からは、軽症の場合には、保健所への届け出書類の作成、患者への説明、投薬まで同センターで完結して行う体制を整えた。

 「センターには、新型コロナ患者を診ていない医師も当番で入るので、これまでは検査までしか行わなかった」と同市医師会の高井国之副会長は説明する。特に保健所に届け出を行う際に用いる、新型コロナの感染者情報把握システム「ハーシス」の入力は煩雑で、経験のある医師でも作業を終えるのに5分はかかるなどのネックがあった。そこで、簡素化した紙ベースの届け出書類など画一的なマニュアルを作成し、新型コロナ患者の診療経験がない医師でも一連の作業が行えるようにした。軽症患者も引き継いでいた先月24日は、同病院の救急外来数は121人だったが、31日は92人に減った。この日は同センターで34人の陽性診断があり、そのうち33人の軽症者はそのまま解熱剤などの投薬まで行った。高井副会長は「われわれの役目は、治療の優先順位を決めるトリアージ。軽症者ならばそのままセンターで、治療が必要な重症者は市民病院へと適切な判断をすることが、医療資源を守ることにつながる」と意義を強調する。

 県は発熱外来を行う診療・検査医療機関に、この週末の6、7日に診療を行うか聞き取りをしており、実施する施設一覧を5日午後にホームページに上げる予定。