県独自の非常事態宣言による飲食店の時短要請を前に、にぎわう週末の玉宮かいわい=23日午後7時27分、岐阜市長住町

 岐阜県独自の非常事態宣言が出され、感染者が多い岐阜市など9市の飲食店などは26日から再び、午後8時までの営業時間短縮が始まる。飲食店関係者からは諦めの声が、大型連休中の客足に期待していた観光地からは不満が聞かれた。一方、さらなる感染拡大の不安から「この時期の宣言は必然」と理解を示す県民もいた。

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 多くの飲食店が立ち並ぶ岐阜市玉宮町。道行く人はそれなりにあったが、週末にもかかわらず満席という店は少なかった。一帯で飲食店6店舗を展開する男性経営者(60)は「またか」と頭を抱えた。仕入れの兼ね合いで、28日から全ての店舗を休業する考えという。「怒りを通り越して諦めの境地」と話し、今回の売り上げに応じた協力金については「赤字が縮むくらいの金額。時短要請をするなら、飲食店や周辺業者全てが苦しまないよう、協力金を手厚くしてほしい」と訴えた。焼き肉店で友人と食事をしていた同市の男性会社員(48)は、前回から1カ月半での再度の時短に「要請、解除の繰り返しばかり」と不満を漏らした。

 可児市や美濃加茂市などに店舗を構えるラーメン店「麺屋もり田」は、系列の5店舗全てが時短要請の対象となった。森田元樹社長(46)は「スタッフや家族のことを考えると、コロナ収束を願う気持ちの方が強い。状況を考えれば仕方ない」と冷静に受け止めた。例年の大型連休中は客足が多く書き入れ時だが「通常営業をしても、人の流れは簡単に戻らない」と話した。

 観光地にも落胆の声が広がった。大野郡白川村荻町の合掌造り民宿「志みづ」のおかみ清水喜代子さん(58)は「コロナ前と比べたら半分以下だけど、大型連休中には予約もある程度入っていた。このタイミングでの非常事態宣言はひどい話。観光客が減るだけで、本当に感染者の増加を食い止められるのか」と疑問を呈した。今のところキャンセルの連絡はないが「前回の宣言では県外客のキャンセルがあったので心配」と気をもむ。

 変異株の陽性者が増えている状況から、理解を示す声も聞かれた。岐阜協立大4年生(21)=大垣市=は「皆の気が緩んできているこの時期に宣言を出すことは意義がある。ゴールデンウイークは就活の勉強に集中する」と話した。会社員(33)=土岐市=も「連休前のタイミングで宣言を出すのは必然」と受け止めていた。