あなたは家康派ですか? それとも三成派ですか? 天下分け目の「関ケ原合戦」の決戦地、岐阜県関ケ原町の町民に聞く家康派・三成派リサーチ。前半を〝家康11票、三成9票〟で折り返した後半は、町長や歴史好きの人たちにインタビュー。最後は会員数20人を超える「関ケ原歴史を語る会」が待ち受けている。このまま家康が逃げ切るのか、三成の大逆転で幕を閉じるのか。どうする家康!?(岐阜新聞Webでは動画も公開しています)
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まずは、関ケ原町の西脇康世町長。だが立場上、どちらか一方を選ぶのは難しいようで、しばらく悩む。それもそのはず、関ケ原町は家康生誕地の愛知県岡崎市とゆかりのまち提携、西軍方の島津義弘ゆかりの鹿児島県日置市と兄弟都市提携を結んでいるからだ。
それでも「強いて言えば…」と、3度も前置きをした上で「私の家の近くに東軍方の本多忠勝の陣跡がある。名前の〝康〟の字も同じなので家康かな」と、家康に1票。かぎりなく三成の陣に近い位置にシールを貼った。そして「家康に貼ると、また(三成派の町民から)怒られるんだよ…」とぼそり。分かります、その気持ち。ご協力ありがとうございました!
続いて、関ケ原合戦資料館ウォーランドの名物館長、西村圭館長。こちらも立場があるようで「私は〝隠れ〟三成派です。ここで歴史講師を務めている関係で、どちら派だと公にはできないので…」とした上で、三成に1票。三成について「秀吉に対する義理堅さにほれた。もう一つは、大谷吉継との友情」と、支持する理由を明かしてくれた。
さらに、合戦カレーや三成コーヒーが味わえる歴史香るカフェ「ココカフェ」へ。歴史好きで知られる店主・伊藤理絵さんは、なんと〝どちらも派〟! 「三成さんは、秀吉さんの恩に報いたい、豊臣家や秀頼さんを守りたいという思いで戦った。家康さんは、平和な世の中を目指して平和に生きていこうと。どちらにも守りたいものがあって戦ったと思うので、私はどちらも推したい」と、家康も三成も支持。例外として、それぞれに1票を加えた。
マツジュン効果か
あとは、関ケ原歴史を語る会の月例会が開かれている町中央公民館の〝決戦地〟を残すのみだが、その前にここまでの票数のおさらいをしておこう。町内を歩いて聞いた前半と、後半の3氏を合わせると〝家康13票、三成11票〟(伊藤さんは両者に1票ずつでカウント)で、家康リードの状況は変わらず。関ケ原は三成びいきだと聞いていたが、家康支持が多いのは、町の人が推測するように来年の大河ドラマ「どうする家康」で、主人公の家康役を松本潤さんが演じる効果なのだろうか。
「女性は三成ファン多い」
会員27人が参加していた月例会。まずは、各派の応援演説から。会長の細見昌男さん(せきがはら史跡ガイド代表)は「通常はどちらでもいいという考え方だけれど、強いて言えば〝今回〟は…」と、家康に1票。「(関ケ原合戦の前に)100通を超える手紙を書き、各武将を味方につけた。並大抵の武将ではできない。天下を取るために必要なことを着実にこなしてきた」と、その地道な努力を評価した。
対して、三成派からはこんな声も。「来年の大河ドラマの主人公が家康なので、家康有利の状況下にあるが、私はあえて三成。これは単純なことで、欲の家康、義の三成」と、三成派の男性。義理堅い三成の人間性を推す。続く三成派の女性も「この世の中は、常に利と義。その間には深い溝があるが、私も義を取る。女性には三成ファンが多い」と応戦した。
三成派が大逆転
では、いよいよ決戦投票。27人全員に投票してもらうと、なんと〝家康11票、三成16票〟の結果に! 前半からの票も全て含めると、確定得票は〝家康24票、三成27票〟。三成の大逆転で幕を閉じた。
三成生誕地の滋賀県長浜市が近く、三成びいきの人が多いと聞いていた関ケ原。来年の家康大河の放送を前にしても、三成支持は根強いようだった。だが、今回の取材を振り返り、ふと気づく。関ケ原で出会う人、出会う人、みんな歴史に詳しい。そして、自分はどちら派だという確固たる考えがあり、その理由を武将の功績や人となりを交えながら自分の言葉で語っている。これこそが、関ケ原合戦の決戦地になった関ケ原町らしさなのかもしれない。
〝家康公〟のメッセージ
この関ケ原の地でも、ほとんどの人が来年の家康大河を見ると話していた。もちろん、三成派も。家康役の松本潤さんは、どういう気持ちで臨むのか。実は今年の夏、本紙の質問にこんなことを語っていた。関ケ原合戦の舞台を抱える岐阜県民へのメッセージだ。最後に〝家康公〟のお言葉で、この企画を締めくくりたい。
「家康が勝ってしまった側という意味で、負けた側の、土地のスター、戦国武将がいる地域の方々はあんまり好きじゃないな、地元の武将の方が好きだな、という方もいらっしゃると思います。僕もこの作品をやるとなったとき、関西地方の人にあまり見てもらえないのではないかという心配もありましたが、そんな方々にも、岐阜の方々にも、見ていただけたらと思います。岐阜のスターも出てきますから、ぜひ。悪役で描いたりしないので(笑)」









