やりがい聞いてみました 

キャリア段位制度のアセッサー
大坪 由紀 さん(福光グリーンホーム・岐阜市)

「利用者一人一人との距離が近く、一緒に生活させていただいているような感覚」とグループホームでの仕事のやりがいを話す大坪由紀さん=岐阜市福光東、福光グリーンホーム

-介護職員になったきっかけは。

 子どもの頃、祖父母に遊んでもらう機会が多く、次第に入院したり、介護が必要になったりしていく姿を見て「介護を学ぶべき」と思い、関有知高校生活福祉科に入学しました。

 卒業後は、今のところとは別のグループホームに就職、その後は有料老人ホームや介護老人保健施設などで6年間働きました。しかしグループホームでのやりがいが忘れられず、2020年4月に今の職場に移りました。

-グループホームの仕事のやりがいとは。

 ここは1ユニット9人、3ユニットあるだけでアットホームです。その分、一人一人との距離が近く、一緒に生活させていただいているような感覚です。

 もともとあった趣味がほとんどできなくなってしまった方に対して、趣味を生かしてできることをいろいろと提案させていただきます。好きなこと、得意なことをしているときはとてもうれしそうで、そういった顔を見られることが大きなやりがいです。

-大変なことは。

 利用者同士の行き違いがあったときは気を使います。両方ともを悪者にせず、納得してもらうことはなかなか大変です。通所施設でしたら、自宅に帰ることでリセットできますが、ここはずっと生活する場ですので特に神経を使います。引きずらないように、そしてどうしたら一日を楽しく過ごしていただけるかを考えることは大変ですが、それ自体も大きなやりがいです。

-職場で力を入れていることは。

 福光グリーンホームを運営している友愛会では、6年前から介護プロフェッショナルキャリア段位制度を導入しています。介護職員に対して、知識と技能の両方を兼ね備えた能力をレベル認定するもので、レベル1から7まであります。全国で8300人ほどがレベル認定を受けています。私はレベル3の取得のほか、実践スキルを評価するアセッサー(評価者)講習を済ませています。

 法人には、「キャリア段位委員会」があり、毎年数人、職員のレベル認定を行っています。現在法人内にはレベル3が6人、レベル4が7人います。取得を目指す職員に対し、私はアセッサーとして1年近くかけて一律の基準に基づいて実践的スキルを評価しています。普段一緒に働いている方、自分より長いキャリアの方を評価、指導することは簡単なことではありませんが、公のものなのでしっかりやっていかないと、という気持ちでいます。

-キャリア段位制度の利点は。

 介護の仕方は、働く中でどうしても自己流になりがちです。評価を受けることで基本に立ち返れますし、違った方法で介助していた場合などはアセッサーがOJT指導しますので、今後に生かしてもらうことができます。

 また、評価を受けている方を見て「来年、挑戦しようかな」と前向きになってくれる職員がいるのも利点です。モチベーションアップにつながっていると思います。

 アセッサーをする利点としては、指導する立場の私が間違った支援をしていてはいけませんので、常に正しい支援を意識する習慣ができました。正しい知識を基に、これからも利用者としっかりと向き合っていきたいですね。