福祉の現場では、利用者のため、地域のため、職員に元気いっぱいに自分らしく働いてもらうために、さまざまな工夫が凝らされています。

 働きやすさに直結するものだけでなく、時代の先端を行くものや社会課題の解決にも一石を投じられるようなものなどもあり、年々、充実度は増していくばかりです。

 今回の「笑顔つなぐ福祉のわ」では、「福祉の現場、止まらぬ進化」をテーマに6つの法人の取り組みから、福祉の世界の「今」に迫ります。
 

育休復帰100%、男性育休、キッズルーム・・・ さくらゆき(羽島郡岐南町)

 羽島郡岐南町で特別養護老人ホームや障がい者の支援施設、学童保育などを運営しているさくらゆきの自慢は子育て支援。子どもの急病などの際には「お互いさま」という雰囲気がある以外にも、シフトが60パターン以上あるためそれぞれに合った働き方ができたり、キッズルームに子どもを預けることができたり、男性育休や孫の育児との両立支援をしたり。その結果、育休からの復帰率は100%を誇るといいます。

 キッズルームの魅力について意見を交わす職員ら。キッズルームは、子育て中や育休復帰をする職員にとって大きな安心材料になっている=羽島郡岐南町徳田西、もみじの舞

 キッズルームができたのは4年前。4月のタイミングでしか保育園に入園できず、やむなく育休を延長する職員が珍しくなかったことから、運営する学童保育の保育士資格を持つ職員が交代で希望者の子どもを見るという形でスタートしました。最初に子どもを預けた永井さんは「おかげで早く仕事復帰することができました。保育士は同じ法人の職員で、やり取りしやすい点も良かったです」と振り返ります。法人内に総勢14人の看護師が常駐していることから、子どもの体調不良時にすぐに対応できることも特長。コロナ禍では保育園が休園した際の子どもの受け皿としても大きな役割を果たしました。

 職員からは「上の子と同じ園に入れるまでお世話になれてよかった」「朝に少しだけ熱が出たときにお願いできて助かった」「上の子の世話のためにもうすぐ2度目の男性育休を取る予定。キッズルームもうまく活用していきたい」などの声が上がっています。