福祉の現場では、利用者のため、地域のため、職員に元気いっぱいに自分らしく働いてもらうために、さまざまな工夫が凝らされています。
働きやすさに直結するものだけでなく、時代の先端を行くものや社会課題の解決にも一石を投じられるようなものなどもあり、年々、充実度は増していくばかりです。
今回の「笑顔つなぐ福祉のわ」では、「福祉の現場、止まらぬ進化」をテーマに6つの法人の取り組みから、福祉の世界の「今」に迫ります。
資産形成を考える一歩に 大東福祉会(大垣市)
大東福祉会では、職員のモチベーションアップや個々の生活がより豊かになるように、福利厚生の充実に力を入れています。その一環で今春、職員に資産形成について考えてもらうきっかけづくりとして「職場つみたてNISA」を始めました。
職場つみたてNISAは希望制で、それぞれが指定した金額を給与天引きで積み立てることができる仕組みです。年明けに全職員を対象にしたアンケートを実施し、「興味がある」と回答した職員に向けて大手証券会社の担当者による説明会をし、4月のスタートの段階で数人が申し込みました。
職場内でNISAの窓口をしている事務職員の谷口さんは4月に始めたうちの一人。「テレビ番組などでNISAの特集等を見たことがあって『時代的に取り入れるべきなのでは』と思っていたため、給与天引きという手間の少ない形で一歩踏み出せて良かった」と話します。
ゴールドライフ大東の関根施設長は「NISAはリスクのあることなので、始めるかどうかはそれぞれが考えるべきこと」と前置きした上で、「始めないと選択をした職員も人生設計や資産形成について考えるきっかけにはなったでしょう。こういったことをきっかけに、経済や政治などの福祉以外の分野の話題にも今まで以上に興味を持ち、スキルアップにもつなげてもらえたら」と話しています。