3Dドリブルを武器に日本の攻撃をけん引する清水美並=川崎重工スタジアム

 劣勢の展開でも一瞬で相手を抜き去り、ゴールへと迫る。ホッケー女子の攻撃をけん引する日本屈指のドリブラー清水美並(ソニーHC、東海学院大出)は「東京五輪でも自分の得意なドリブルから得点につなげたい」と、得意とする「3Dドリブル」で新たな歴史を切り開く。

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 ホッケーのドリブルは相手を平面的に抜いていくのが基本だが、清水の3Dドリブルは、ボールを浮かせてスティック上で跳ねさせながら抜き去る。高い技術は必要だが、成功すれば優位な状況を一瞬でつくれる大技だ。

 清水が日本を代表するドリブラーとなったルーツは、幼少期にあった。2人の兄の影響でホッケーを始めた清水は、「家の庭でよく兄と1対1をやっていた」。限られたスペースで、技術も体格も勝る兄に勝つために磨いたのが、ボールを浮かせて相手を抜くこのドリブルだった。

 当時は3Dドリブルという言葉はなく、「自分も試合で使った覚えはない」。転機は大学入学直後。持ち味のドリブルがなかなか通用せず、「(幼少期に)相手スティックの上を抜いていたことを思い出し、本格的にやり始めた」という。最初はなかなか成功しなかったが、挑戦を重ねることで確率を高め、いつしか再び自分の武器に。今では「海外の選手にも通用するようになった」と胸を張る。

 3Dドリブルを仕掛ける際、最も重要なのはタイミング。相手の動きを見て仕掛けるのではなく、「自分が抜きたい方向を決め、相手をその逆に動かしておいてから抜く」のが秘訣(ひけつ)だという。右方向から抜く場合は、先手を取って相手を一度、左方向に誘導する動きを入れる。まるで相手を置き去りにするような格好となることから、3Dドリブルが「空間を支配するドリブル」と言われるゆえんだ。

 昨季は世界に通用するドリブラーとして今まで以上に研究された影響もあり、本調子からほど遠い状況だったが、徐々に復調のきっかけをつかんでいる。東京五輪での目標を聞くと、笑顔で「もちろん金メダル獲得。そこだけはぶれない」ときっぱり。屈託のない笑顔の奥に、強い覚悟をにじませた。

【極意】

 その一、自分の体とボールを一緒に運ぶ

 その二、相手からチェックを入れられず、一歩引かれない絶妙な間合いで仕掛ける

 その三、仕掛ける前に自分が抜きたい方向と逆の方向に相手を動かす