関心のある記事を切り抜く生徒ら=山県市高富、高富中学校
記事の切り抜き作品を作る生徒=同

県NIEアドバイザー 山県市立高富中教諭 原田結花

 「問題が多くて最後まで読むことができなかった」「書く問題が全く書けなかった」―など、初めての期末テストを受験した中学1年生の声が聞かれます。みなさんは、できましたか。

 今回は、こうした悩みを解決すべく、新聞を読んで読解力、表現力の力をつけていく学び方のヒントを伝えたいと思います。

 一つ目は、「新聞を毎日ざっと読む」ということです。まずは、テレビ欄。何の話題がテレビで放映されるかで、社会の動きを知ることができます。そして、天気予報。占い。

 毎日、必ず、決まった場所に載る情報を見ることで、他のニュースが目にとまるようになります。それができるようになったら、毎日、テレビ欄の反対側の1面記事だけは見るようにしましょう。見出しの文字が、大きな活字なら、大きなニュースということになります。毎日、見るだけで、ニュース通になれますよ。

 二つ目は、毎週月、木曜日掲載の「中学生の広場」です。掲載されている教科の問題は、20問程度でおさらいができるように作成してあります。問題を読んでから、答えを目で追って読むだけでも、ずいぶんおさらいできると思います。「世界で面積が最も小さい国であるバチカン市国は、イタリアの首都の中に位置している。イタリアの首都の名前を答えなさい」など、クイズみたいですよ。また、この欄にある意見文は、みなさんのアドバイスになる「働くこと」など、読みやすい文章ですのでおすすめです。

 三つ目は、めんどうで新聞を見たくもない、読む時間もない、必要もないと考えている人たちへのアドバイスです。写真だけ見ましょう。学校に掲示してあるコーナーがあれば、時々立ち止まってみましょう。介護の資格をとった先輩の写真を見つけた生徒が、教室にその記事を切り取ってもってきました。あこがれの高校が、どんな学習をしているか知ることができる機会になるかもしれません。

 どんな形でも、新聞にふれる機会をもつようにすれば、次第に抵抗がなくなります。関心のある記事は読みたくなるので、読もうとすることで漢字も気にならなくなりますよ。

 私が顧問をしている新聞部は、何と新入部員が9人。「東京オリンピック」「宇宙」「交通事故」など、関心をもって集める記事は多種多様。その分、会話が弾み、にぎやかな部活動になっています。

 彼らが新聞を自由に読みこなし、力をつけていくのが楽しみです。