「岐阜県立田茂農林高校」を舞台に、主人公の畑耕作と同級生たちが繰り広げる、ちょっと(?)過激な学園ラブコメディー「のうりん」。多治見市出身の作者、白鳥士郎さんがモデルにしたのが加茂農林高校だ。
かんたん検索! 岐阜県・東海のイベント お出かけ情報総合サイト「ぎふっと!」農業用ため池を過ぎて正門をくぐると、作業着姿の生徒たちが庭掃除にいそしんでいた。これも授業の一環。生産科学、食品科学、森林科学、環境デザイン、園芸流通の5学科があり、広さ10万5195平方メートルの敷地に、職員室だけでも11カ所。1学年5クラス200人、全校600人の生徒が野菜果物や花の栽培、庭作り、牛にクジャクにワラビーの繁殖、などを学ぶ。
新型コロナで夏休み明けに休校措置が取られた9月は、クリやナシの最盛期。生徒に代わって教員総出で収穫した。生産科学科3年の生徒は、先生に感謝しつつ「栽培には人の手が毎日必要。もっと携わりたかった」と悔しがる。
農場長で園芸流通科の教諭は、のうりんファンが同校正門を"巡礼"する光景を思い出す。「アニメの描写そっくりなので、県外からもファンが来ていた」。校内でできた野菜や卵を販売する「グリーンショップかものう」には地域住民に交じり多くのファンが訪れた。
長良川鉄道も舞台。美濃太田ならぬ「美濃文田(みのもんた)」(アニメでは美濃田茂)駅から乗り込んで、耕作の故郷「愛生(あいおい)」駅へ仲間で遊びに出掛ける。その場面が描かれた4巻の発売後には美濃太田駅に顔出しパネルを設置、アニメ化後すぐにコラボ切符を発売した。聖地巡礼ツアーも2度企画され、1日乗車券に、車内で白鳥さんと一緒に食べる「松茸釜飯弁当」も付いて3800円というお得感が全国のファンの心をつかんだ。
企画した同鉄道の中井啓介さん(39)=郡上市=は「都会の人に知ってもらうチャンスと、ノリノリだった」と笑う。作中には「大赤字」「昼間ガラガラ」などの描写があるが、"おいしい"と、むしろ歓迎。「田舎の実情を知ってほしいという白鳥さんの思いがあったのでは」
高校に戻ると、さだまさしさんが全国の農業高校に向けて制作した「美しい未来へ~Future Farmers of Japan」が流れ、全校清掃時間を知らせていた。生産科学科3年の生徒は「普通の人生ではできないことができた3年間だった」と笑顔。勉強と実習、恋や遊びに、と忙しい耕作たちの姿が重なった。
【作品紹介】農業に青春を懸ける高校生、畑耕作と幼なじみの中沢農、謎の転校生木下林檎たちの日常を描く、2011年刊行開始のライトノベル。ギャグ中心で多くのパロディーを含む一方、現代日本の農業の問題点も取り上げる。14年にアニメ化された。

















