部活動の地域展開が進む中、「中学生が競技の成果を発揮する大会が減ってしまうのでは」と心配する声があります。そんな中、岐阜地区の剣道の社会人コーチたちが、自分たちで中学生の大会を立ち上げました。大会に参加し、取材しました。(岐阜新聞デジタル独自記事です)

岐阜地区の中学生剣士約200人が出場した「第1回木蓮剣杯剣道錬成大会」=岐南町徳田、岐南中学校体育館

 ■IT企業や製薬会社などに勤務

 「第1回木蓮剣杯剣道錬成大会」が9月5日、岐南中学校(羽島郡岐南町徳田)の体育館で開催されました。岐阜地区の中学生約200人が参加。男子21チーム、女子16チームによる団体戦が行われました。

 大会の主催団体は「木蓮剣」。岐阜地区の地域クラブで剣道を中学生に教えている社会人コーチによる団体です。IT企業や製薬会社、メーカー勤務の会社員や公務員ら7人でつくっています。よく集まっている岐阜市内の中華料理店の店名から「木蓮」とつけました。

大会委員長の三上仁史さん

 ■大会数の減少を懸念

 コーチたちが懸念するのは大会の減少です。部活動の地域展開が進むにつれ、中学校体育連盟(中体連)が開催してきた大会は今後どうなるのか。中学生が輝く場所がなくなっていくのではないか。実際、全国中学校体育大会は一部の競技を実施しないなど大会の在り方を見直しています。「大会の受け皿を社会人コーチたちでつくれないか」。そんな思いから大会を立ち上げました。

 大会委員長の三上仁史さん(48)の本業はIT企業の営業マン。各務原北剣道ジュニアクラブの代表も務めています。自身は錬士七段という高段位の剣士ですが、剣道を指導していて、中学生が起こす一瞬の奇跡のような輝きに心を動かされると言います。「中学生が稽古の成果を発揮する機会が減らないようにしたいのです」と強調します。

 ■「いずれ県大会も」

 大会は予選リーグとトーナメント戦で行われ、男子優勝は境川・北方学園の合同チーム、2位は各務原西剣道ジュニアクラブ、女子優勝は各務原東ジュニアクラブ、2位は各務原北ジュニアクラブとなりました。

 試合のほか、エキシビションマッチとして選抜7人による団体戦を行ったり、通常の剣道の試合では禁止されている声を出しての応援を促したり、大会運営を工夫しました。「県大会もいずれできないか」。運営に携わったコーチの一人はそんな夢を語ってくれました。

 ■コーチとして参加してみた

 目を疑いました。「そんな技教えたっけ?」という鮮やかなドウで、教え子が強豪相手にまさかの勝利。私たちのチーム自体は決勝トーナメント1回戦で敗れたものの、生徒たちは大会で成長のきっかけをつかみました。...