岐阜県は29日、新型コロナウイルス対策の本部員会議を開き、対策を強化するタイミングを判断する県独自の基準指標を策定した。感染拡大の予兆を確実に捉えるため、新規感染者数を見極めつつ、医療逼迫(ひっぱく)の状況を重視する。さらに医療提供体制の強化やワクチン追加接種、外国人対策を進め、感染拡大防止と社会経済活動の両立を目指す。これらの感染防止対策の実施期間は12月1日から。

 新指標は、国が示した5段階のレベル分類の考え方を踏まえ、県のレベル判断の目安として新たに設定。項目は「新規陽性者数(直近1週間の10万人当たり)」「病床使用率」「重症者数」「陽性率(直近1週間の平均)」の四つで、従来のステージ分けではなかった重症者数を加えたほか、病床使用率は国の方針より厳しい基準とした。

 これまでの感染拡大では、まず新規感染者が増え、その後、病床使用率が上がり、さらに時間が経過して重症者が増えてきた。こうした経験から新規陽性者数を注視し、病床使用率や重症者数を見て早い段階から対策を講じるよう基準を設けた。

 ただ、基準に達した時点で自動的に各レベルに移行するのではなく、1週間単位の動向や感染の県内・近隣の地域的分布、検査体制の状況などを含めて総合的に判断する。警戒を強化すべきレベル2は国のまん延防止等重点措置適用の可能性があり、レベル3では国の緊急事態宣言発令や重点措置適用などの強い対策が必要となる。

 第6波に備え、医療提供体制も強化する。県内では現在、病床882床、宿泊療養施設1705床、臨時医療施設20床(最大40床)の最大計2627床を確保。今後、新病院に移転後の木沢記念病院(美濃加茂市)を臨時医療施設や宿泊療養施設として活用し、来年1月末までに第5波ピーク時から45%増の最大計2783床まで確保する見込み。中和抗体薬や経口薬について、これまでの入院での投与に加え、外来や宿泊療養施設への往診でも投与できる体制を構築する。

 県庁で記者会見した古田肇知事は、現在の感染状況について「今年最も落ち着いた状況。第5波は終息しつつある」との認識を示した。一方、県内でも局所的に発生するクラスター(感染者集団)や、新たな変異株「オミクロン株」を踏まえ「警戒を怠るわけにはいかない」と強調した。