少子化や大学入試改革で今、高校を取り巻く環境は大きく変化しています。岐阜新聞デジタルは各校の校長らトップにインタビュー。今回は坂下高校の杉山酵校長(57)にうかがいました。長野県境に近く、岐阜県で最も東に位置する坂下高校は全校生徒が120人弱。生徒は少ないですが、「探究」を軸に地域と密接な関係を構築しています。杉山校長は「地域にとって必要な高校だ」と語ります。(岐阜新聞デジタル独自記事です)

坂下高校=中津川市坂下
 坂下高校 所在地は中津川市坂下。岐阜県立全日制高校で、地域探究科と福祉科がある。地域探究科には「進学・看護」「未来共生」「保育」「調理・製菓」の4コースがある。

 ―坂下高校の特徴は。

 地域探究科は2022年度、県内で初めて開設された学科。「新しい普通科」として、「地域と共に地域と育つ」をスローガンに地域の企業、行政と連携しながら地域課題を掘り下げ、探究活動をしている。

 四つのコースを設けており、どのような進路希望にも対応できる。2年生からコースを選択する。

 「進学・看護コース」は4年制大学や短大、看護・医療系専門学校などへの進学、市役所や消防職への就職を目指す。進学は指定校推薦や総合型選抜が多い。少人数教育で、希望に合わせた個別対応ができる。

 看護師を目指す生徒向けに学校設定科目を設けており、連携する中京学院大学の教員や看護師の授業を受ける。訪問看護の現場実習や本校福祉科教員の授業もある。プロや専門家から教えてもらう授業を多く設定している。

 「未来共生コース」は企業への就職を目指すコース。企業で実習を行う「デュアルシステム」を導入しており、2年生は毎週木曜日、中津川市や恵那市の企業で実習する。製造業やサービス業、スーパーなど20社以上が受け入れてくれている。実習先に就職する生徒もいる。

 「保育コース」はピアノ、歌、言語表現、造形技術、子どもの看護などの保育技術を講義や実習を通して身に付ける。地元の「やさかこども園」や、市内の「森のようちえん」で実習する。子どもたちが本校に来ることもある。

 「調理・製菓コース」は調理の基礎から世界の食文化まで学ぶ。調理専門学校の教員に来てもらう授業も。地元の和菓子店にも人材を送り出している。

 
 杉山酵(すぎやま・こう) 本巣郡北方町出身。教科は理科(物理)。岐山高校教諭、大垣市立東中学校教頭、大垣西高校教頭などを経て2025年度から現職。

 ―学科名に「探究」とあるが、どのような取り組みを行っているか。

 本校は探究に力を入れている。地域の課題に対して本校の生徒が解決策を考えたり、実践したりしている。

 本年度、生徒たちは馬籠宿(中津川市馬籠)を訪れる外国人観光客に配るための特製お守りを制作した...